今週の紙面
2026年(令和8年)10月22日(第5954号)
- 水道は災害に負けない 次世代に向けて/全国会議が長崎で開幕 一層の連携を/日水協
- 乙金浄水場の更新事業が仕上げ段階/来年2月に完工、DB代表企業は水道機工/福岡市水道局
- タイの無収水削減など技術協力/地方水道公社と覚書結ぶ/横浜ウォーター
- 予算総額の確保へ産業界の声/持続性確保や効率化対策など/関係議員・各省に要望活動/水団連
- ウォータービジネス時流/渡辺パイプの上下水道分野への貢献 ~これまでの実績と今後の事業展開を見据え~/渡辺パイプ代表取締役社長 渡辺 圭祐氏
- 鉄管と合成管の工場を統合/京葉工場と阪神工場で/クボタ、クボタケミックス
- 上下水道メンテ会社が経営統合/日本メンテナスなど5社/MGホールディングス
本号の特集
2026年(令和8年)10月19日(第5953号)
- 汚水処理最適化、広域連携へ/第4回検討会開き議論深める/国交省
- 各検討チームの方向性を共有/New―Smart第2回PJ会議開く/JWRC
- 難アクセス箇所調査技術を公募/水資源機構
- 持続可能な上下水道の構築へ/通水90周年、上下水道局25周年迎える/記念シンポジウムを開催/富山市
- 3人の若手研究者が中間発表/水道の課題解決へ研究発展を/クボタ若手研究者奨励制度
本号の特集
水道は災害に負けない 次世代に向けて/全国会議が長崎で開幕 一層の連携を/日水協
自然災害が相次ぐ。熊本地震が発生し、千葉豪雨をはじめ大雨が各地を襲った。水道界はこれまで相互応援の体制を整え、幾多の災禍をその連携により乗り越えてきた歴史がある。熊本地震もそうだった。災害に負けない水道を将来に―。水道関係者共通の思いではないだろうか。日本水道協会の「全国会議」が21日、長崎市の出島メッセ長崎で幕を明けた。水道が直面する課題の解決に向け、会議や研究発表が行われている。産官学の水道関係者は3000人を超えた。議論される課題や研究テーマには災害にまつわるものも多いだろう。奇しくも集ったこの九州の地で、思いを共にしたい。
乙金浄水場の更新事業が仕上げ段階/来年2月に完工、DB代表企業は水道機工/福岡市水道局
福岡市水道局が平成31年2月から事業を進めてきた乙金浄水場整備事業が来年2月の完工を控え、整備が仕上げ段階に入っている。本紙では、同事業の着手以来、継続的に現場取材を行ってきたが、今回は設計施工一括発注のDB方式により進められてきた整備の過程で確認できた官民連携の成果に注目しながら最新動向をレポートした。
タイの無収水削減など技術協力/地方水道公社と覚書結ぶ/横浜ウォーター
横浜ウォーターは12日、タイ王国の地方水道公社(PWA)と技術協力に関する覚書を締結した。覚書締結の目的は▽無収水削減に向けた技術協力体制を構築▽水道事業運営の知見・技術をPWA等へ提供▽PWA職員・地元企業の能力向上を支援―。覚書に基づき、今後はPWA管轄地区の無収水削減に向けた調査・計画策定や、PWA職員の人材育成を進める予定で、また、タイと日本の企業との連携や国際機関等の支援活用も検討し、具体的な協力案件の形成を目指していくこととしている。
予算総額の確保へ産業界の声/持続性確保や効率化対策など/関係議員・各省に要望活動/水団連
日本水道工業団体連合会(会長=北尾裕一・クボタ代表取締役会長)は15日、2027年度政府予算についての要望活動を実施した。各省から予算概算要求が提出され、予算編成作業が本格化するのを前に産業界の要望を伝えた。
熊本地震をはじめ豪雨や地震など多発・激甚化する自然災害への対策の必要性や上下水道政策の基本的なあり方検討会で議論されている「2050年に向けての上下水道ビジョン」の実現などを例に挙げ、1.上下水道・工業用水道予算総額の重点的確保 2.上下水道・工業用水道予算に関する施策の充実 3.上下水道・工業用水道の持続性確保対策の充実 4.次世代に向けた新たな上下水道効率化策の進展 5.上下水道・工業用水道関連重要施策の一層の充実―の各項目を求めた。
ウォータービジネス時流/渡辺パイプの上下水道分野への貢献 ~これまでの実績と今後の事業展開を見据え~/渡辺パイプ代表取締役社長 渡辺 圭祐氏
上下水道分野を代表する資機材関係商社のトップ企業の渡辺パイプ。そのビジネス領域は、「水」に加えて、「住まい」、「農業」も含む生活インフラ全般に及ぶ。そうした中、上下水道界においては、充実したマンパワーと基幹関係システムによって支えられる全国ネットワークにより、管工事業界をはじめとする関係分野への迅速かつ安定的な資機材等の供給を実現している。本紙では、同社の渡辺圭祐社長のインタビューを実施し、この分野の専門商社の果たす役割を念頭に同社の強みと上下水道分野への貢献に向けた思いをお聞きした。
鉄管と合成管の工場を統合/京葉工場と阪神工場で/クボタ、クボタケミックス
クボタとクボタケミックスは5日、パイプシステム事業(鉄管・合成管)を持続可能な形に発展させるため、同一敷地内で両社がそれぞれ個別に運営している京葉工場(千葉県船橋市)および阪神工場(兵庫県尼崎市)をそれぞれクボタの工場として2027年1月に統合すると発表した。
クボタ京葉工場とクボタケミックス京葉工場を統合し名称をクボタ京葉工場に、クボタ阪神工場とクボタケミックス阪神工場を統合し名称をクボタ阪神工場とする。
上下水道メンテ会社が経営統合/日本メンテナスなど5社/MGホールディングス
上下水道施設の運転・維持管理などを担う日本メンテナスエンジニヤリング(本社・大阪市、田伏重成社長)など5社は2日、共同株式移転による持株会社「MGホールディングス株式会社」を設立した。持株会社の代表取締役社長には田伏氏が就任した。経営資源を結集し、意思決定を迅速化、ガバナンス強化を図り、持続可能なインフラの維持管理体制を構築する。
5社は▽日本メンテナスエンジニヤリング▽東洋メンテナス▽四国テクニカルメンテナンス▽九州テクニカルメンテナンス▽東海メンテナンス―となっている。近畿、東海、中国、四国、九州の各事業基盤をつなぎ、広域的なグループ連携を展開する。
【特集】令和8年熊本地震から確認するPCタンクの強靱性
~非常時にも安定給水を維持する高性能の配水池の特性~
去る7月28日に発生した令和8年熊本地震では、八代市や氷川町などで水道施設の被害により、長期にわたり大規模な断水が発生したことは記憶に新しいところ。一方で、被災エリアに配備されていたPC製の配水池の被害は、建設中のものも含めて皆無であり、一昨年の能登半島地震に続いて、PCタンクの強靱性が確認された。この情報・知見を踏まえ、本紙では、金沢大学の宮島名誉教授と、安部日鋼工業の井手口社長ら同社幹部による技術座談会を実施し、水道事業にとって水運用のキーとなる配水池の強靱化に向けたあり方について考察を試みた。
汚水処理最適化、広域連携へ/第4回検討会開き議論深める/国交省
国土交通省上下水道審議官グループは16日、都内で第4回汚水処理施設の最適化と広域連携の推進に向けた検討会(委員長=浦上拓也・近畿大学経営学部教授)を開いた。広域連携の推進に関するガイドラインと汚水処理の最適化に関するガイドラインの策定に向け、事務局が各ガイドラインの構成と内容のポイントを説明した上で、議論を深めた。今後は、次回検討会でガイドライン案について議論し、年内のガイドライン策定を目指す。
各検討チームの方向性を共有/New―Smart第2回PJ会議開く/JWRC
水道技術研究センター(JWRC)は7日、都内でスマート水道メーターの普及・促進に向けた産官学の共同研究「第2期New―Smartプロジェクト」(座長=石井晴夫・東洋大学名誉教授)の第2回プロジェクト会議を開いた。各検討チームの活動状況を報告するとともに、事業体における先進事例を紹介。国内のスマート水道メーターの導入・実運用の状況をとりまとめたマップを共有した。
難アクセス箇所調査技術を公募/水資源機構
水資源機構は、現場が抱える技術的課題に向けて民間事業者等と共同で技術開発に取り組む「共同開発型による技術開発」制度を創設し、第1弾として15日から「難アクセス箇所(高所・難所)での調査技術の開発に関する共同開発」の募集を開始した。
持続可能な上下水道の構築へ/通水90周年、上下水道局25周年迎える/記念シンポジウムを開催/富山市
富山市は、1935年10月20日に水道水の通水を開始してから90周年、また、2001年4月1日に水道局と下水道部が組織統合し、富山市上下水道局が発足してから25周年を迎えた。9日には「富山市水道事業『通水』90周年 富山市上下水道局発足25周年記念シンポジウム」を市内で開いた。市民や水道関係者ら約300人が参加し、石井宏幸・国土交通省上下水道審議官による記念講演やパネルディスカッションなどを実施、将来世代が安心して「当たり前」のように上下水道を使うために、今できることは何かを考える機会となった。
3人の若手研究者が中間発表/水道の課題解決へ研究発展を/クボタ若手研究者奨励制度
クボタは9月25日、「若手研究者のための次世代の水インフラ研究奨励制度」の中間発表会を東京本社会議室で開いた。この研究奨励制度は、同社の創業130周年記念事業として2020年に創設したもの。選考委員長は滝沢智・東京都立大学特任教授、伊藤禎彦・京都大学大学院教授、丸山喜久・千葉大学大学院教授、廣井悠・東京大学先端科学技術研究センター教授が委員を務めた。
発表したのは3題。▽「衛星データ活用型・次世代水道管モニタリングと破損予測」(劉ウエン・千葉大学大学院准教授)▽「地球・社会環境の変化に起因する水道水の水質変動の体系的評価―消毒副生成物の観点から―」(小牧裕佳子・大阪公立大学大学院講師)▽「地方や発展途上国での活用を見据えた下水道管老朽箇所からの土砂浸入を反映する水質指標の探索」(中屋佑紀・北海道大学大学院助教)。
【特集】事業体による職員の確保・育成の取り組み2
水道事業にとって、職員の高齢化や若手職員の不足などにより、技術力維持や危機管理体制の確保が大きな課題となっている。質の高い水道水の提供や事業の持続可能性などを図るため、職員の確保・育成が重要である。国の「水道の基盤を強化するための基本的な方針」でも、人材確保と育成は柱に位置付けられており、長期的視点での対策が求められている。今回の「課題を追う」は「事業体による職員の確保・育成の取り組み2」と題し、各事業体による工夫を凝らした取り組みを紹介する。