上下水道一体で基盤強化/今夏に水循環基本計画を改定/水循環政策本部

上下水道一体で基盤強化/今夏に水循環基本計画を改定/水循環政策本部

 政府は2日、首相官邸で第6回水循環政策本部会合を開き、新たな水循環政策の方向性について審議した。岸田文雄・首相は、水道整備・管理行政が国土交通省に移管したことを踏まえ、上下水道一体効率化・基盤強化推進事業を活用しつつ、上下水道一体でのPPP/PFIの推進を関係閣僚に指示した。また、能登半島地震の教訓を踏まえ、上下水道などの水インフラの耐震化状況の再確認や耐震化の推進を求めた。さらに、官民連携による水力発電の最大化を図るよう指示したほか、今夏を目途に、水循環基本計画を改定することを明らかにした。

"水道のプロ"として協力を/金沢市長が能登地震支援に感謝/日水協



 日本水道協会は能登半島地震への対応にあたり、東京・市ヶ谷の日本水道会館に「救援本部」を、石川県支部長都市の金沢市企業局に「現地本部」を設置し、応援事業体間・国との情報共有や応援地方支部の連絡調整といった支援を行っている。3月27日、村山卓・金沢市長が日水協を訪問して青木秀幸・理事長と面会し、支援に対する感謝を伝えた。

「Zパイプ」適切な対応を/国総研資料の留意点踏まえ/国交省

 国土交通省、国土技術政策総合研究所は3月21日、都道府県下水道主管部長、政令指定都市下水道主管局長に対して、硬質瀝青管への対応について周知するよう事務連絡を発出した。

登別温泉浄水場が完成/DBMで更新、膜ろ過採用/独自のクラウドシステム導入/登別市

登別温泉浄水場が完成/DBMで更新、膜ろ過採用/独自のクラウドシステム導入/登別市

 北海道の登別市は、登別温泉浄水場が完成し、1日に供用を開始した。老朽化が進行している同浄水場を全面的に更新することにより、耐震性の確保とともに水道水の安定供給を図ることを目的としたもので、水処理系施設の機械・電気設備の設計、建設、16年間の保守管理を一括化するDBM方式で実施し、浄水処理方式は従来の急速ろ過方式から無人運転が可能な膜ろ過方式へと変更した。3月26日には市や関係企業、地元町内会など関係者約60人を集めて完成記念式典を開催した。

広域連携の検討方針など共有/広域連携全体会議開く/静岡県

 静岡県は3月22日、「静岡県水道広域連携全体会議」をオンラインで開催した。静岡県をはじめ、県内市町の水道事業や財政・企画担当の職員などが出席、駿豆圏域(賀茂地区)、駿豆圏域(賀茂地区を除く)、静清富士圏域、大井川圏域、遠州圏域の県内5圏域における広域連携方策について、2023年度の検討状況を報告し、2024年度の検討方針などについて協議した。また、能登半島地震での日本水道協会静岡県支部の支援活動について情報共有を図るなどした。

噴出水のガス管被害防止へ/大阪ガスネットワークと協定/堺市上下水道局

噴出水のガス管被害防止へ/大阪ガスネットワークと協定/堺市上下水道局

 堺市上下水道局は3月25日、大阪ガスネットワークと「サンドブラスト発生時の被害拡大防止等に関する協定」を締結した。サンドブラストは損傷した水道管の噴出水が土砂を巻き上げ、近接するガス管を破損させる現象で、堺市内では2022年11月に発生。2023年7月に大阪市内で合同講習会を開催するなど、対応を検討していたが、今回の協定締結により、現象発生時の早期復旧に向けた情報共有並びに相互の技術力強化などを図る。双方とも同趣旨の協定締結は初めてとなる。

汚泥減量化と発電施設が稼働/下水道事業運営の安定化へ/綾瀬市

汚泥減量化と発電施設が稼働/下水道事業運営の安定化へ/綾瀬市

 神奈川県綾瀬市の綾瀬終末処理場では、汚泥減量化施設と民設民営の発電施設を整備し、4月から稼働を開始した。汚泥の減量化と処分費の削減を図るとともに消化過程で発生する消化ガスを発電事業者に売却することにより、下水道事業運営の安定化と温室ガスの削減による環境負荷の低減を図る。

NAWSと連携強化で合意書締結/東海4県の技術支援へ協力/JS

NAWSと連携強化で合意書締結/東海4県の技術支援へ協力/JS

 日本下水道事業団(JS)は3月26日、名古屋上下水道総合サービス(NAWS)と連携強化に係る合意書を締結した。技術力、マネジメント力を活かしながら相互に協力し、事業主体となる地方公共団体を支援するとともに、下水道の持続的進化に資することを目的としている。

下水汚泥を直接ガス化し水素に/産総研理事長賞を受賞/日立造船

 日立造船は4日、産業技術総合研究所(産総研)との共同研究テーマである「下水汚泥からの水素製造プロセスに関する研究」が、産総研の「産総研理事長賞2023」を受賞したと発表した。

 研究では、消化処理を経ることなく下水汚泥を直接ガス化して、水素などを主成分とする燃料ガスに転換することにより、消化汚泥の処理が不要となるプロセスの構築を目指した。既存のガス化技術において課題の一つとなっている配管などを閉塞するタールの排出抑制を図るため、タール改質機能を持つ安価な天然鉱物を媒体として使用した独自の装置構造を有する循環流動床装置を開発し、連続した安定運転を可能にした。

下廃水向け高耐久性RO膜開発/耐薬品性2倍で長寿命化実現/東レ

 東レは3月21日、耐薬品性を従来比2倍に向上させた高耐久性逆浸透膜(RO膜)を開発したと発表した。工場廃水の再利用、下水処理などでの厳しい使用条件において、これまでの高い除去性を維持したまま、長期間安定して良質な水を製造できるほか、膜劣化による性能低下の抑制により運転管理が容易になる。また、RO膜エレメントの交換頻度の半減や、交換・廃棄に伴うCO2排出量の半減など、多様なメリットがある。