上下水道の防災・減災、強靱化を加速/耐震化・広域化を着々と 厚労省/グリーン化とDXを推進 国交省/令和4年度予算概算要求

 令和4年度の上下水道関係予算概算要求がまとまった。“骨太の方針”に沿う要求だが、注目は「防災・減災、国土強靱化」だろう。5か年の加速化対策の2年目にあたり、上下水道の対災害性強化に拍車をかける。防災・減災、国土強靱化に関する予算は「事項要求」として別途要望し、今後の予算の編成過程で決まっていくことになる。このほかにも、「新たな成長推進枠」ではグリーン、デジタルなどが強調されている。上下水道予算の確保に期待がかかる。

全国会議はオンライン開催/“仙台・東北色”反映し発信へ/日水協

 日本水道協会は、12月に仙台市での開催を予定した「令和3年度全国会議」を、参集での現地開催からオンライン開催に変更する。新型コロナウイルス感染症の拡大状況を踏まえ、日水協事務局と仙台市とで協議し、26日に書面による理事会で正式決定した。ワクチン接種の進行などコロナ禍は12月には状況が改善している可能性はあるが、「開催できなかった時の影響の大きさを考慮した。賛助会員でもある水道展関係者にも迷惑をかけられない」(日水協事務局)と、このタイミングでの判断となった。

 日水協ホームページに全国会議の専用サイトを立ち上げ、オンライン上で情報を発信する。▽水道研究発表会▽会員提出問題▽シンポジウム▽水道イノベーション賞事例発表▽仙台市・東北地方支部の企画▽次期開催地の紹介―などのコンテンツを設ける。水道研究発表会を事前登録制の有料公開とする以外は、無料で閲覧できるようにする。専用サイトは年度内の公開を予定し、閲覧方法や水道研究発表会への事前登録方法など詳細は11月上旬までに会員に案内するとしている。

共通PF構築へモデル実証/5共同研究体を決定/国交省

 国土交通省下水道部は、日本下水道協会と連携し、台帳情報等の電子化促進を通じた共通プラットフォームの構築に向けた検討を行っている。その一環として、地方公共団体を実証のフィールドとし、標準仕様に基づく管路施設の電子台帳を作成し、運用することによる導入効果等について検証するモデル実証事業を実施する。同部では事業実施者を公募し、応募のあった提案のうち5つの事業実施共同研究体による実証を行うことを決めた。

 事業実施共同研究体は「パスコ、日本アセットマネジメント協会、茨城県境町、同阿見町、朝来市」「日本インシーク、四万十市、高知県越知町、同香美町、同いの町、大阪狭山下水道管路サービス」「国際航業、三浦市、郡山市、柏市」「日水コン、北海道芽室町、塩尻市、男鹿市、潟上市、秋田県井川町、同八郎潟町、同五城目町、同三種町、同大潟村」「NJS、長井市、館林市、新居浜市、須崎市」の5つ。

 具体的な検証事項は1.電子台帳導入による日常的な業務の効率化、施設管理の高度化 2.点検および調査結果などの維持管理情報の効率的な入力手法 3.共通プラットフォームの活用を想定した電子化情報の受け渡し手法―。モデル実証による検証結果は、来年3月までにとりまとめる予定としている。

仁井田浄水場等整備事業実施へ/水処理プラントはDBで/来年1月に募集公告/秋田市上下水道局

 秋田市上下水道局は、仁井田浄水場の更新や豊岩浄水場・豊岩取水場の改造などを行う仁井田浄水場等整備事業の実施にあたり、18日に実施方針や要求水準書案などを公表した。老朽化が進行している仁井田浄水場をダウンサイジングして更新するとともに、豊岩浄水場の改造などを併せて実施する。水処理プラントはDB方式、取水塔や導水管、脱水汚泥保管棟などは仕様発注方式により実施し、設計・建設期間は令和5年2月から10年3月とする。今後は、4年1月に募集公告を行い、事業者選定を進め、同11月に優先交渉権者の決定・公表、5年2月に契約締結を予定している。

 施設規模は、雄物川の両岸に位置し、浄水を相互融通できる両浄水場の1日最大給水量の合計を、将来の水需要の推計を基に10万立方m/日と定め、仁井田浄水場は現在の4割程度の6万5300立方m/日、豊岩浄水場は既存施設を最大限活用する3万5800立方m/日とする。