大賞に堺市「すいりん」/課題解決へICT活用を/水道イノベーション賞/日水協

 日本水道協会は、今年度の「水道イノベーション賞」の受賞事業体とその事例を発表した。大賞は堺市上下水道局で、料金窓口業務にスマホアプリやクラウドを活用した取り組みを高く評価した。中小規模の事業体や特定分野に特化した取り組みなどを対象にした特別賞には、豊田市上下水道局、静岡県企業局の取り組みを選んでいる。今回はICTやAIがひとつのキーワードになったとも見てとれる。水道の基盤強化に向け、直面する課題解決への〝カギ〟に、これらの取り組みを参考にしたい。

下水道展’21大阪が閉幕/大阪市・神戸市が最優秀出展者に/オンライン展示は継続公開

下水道展’21大阪が閉幕/大阪市・神戸市が最優秀出展者に/オンライン展示は継続公開

 大阪市のインテックス大阪で開催されていた下水道展’21大阪が20日、4日間の日程を終え閉幕した。コロナ禍の中、2年ぶりとなった今開催は、感染対策に万全を期しつつ、ウェブツールを駆使した、初のリアルとオンラインの“ハイブリッド下水道展”として、出展各社により数々の最新技術・製品・サービスが披露された。オンライン展示会は次回下水道展の開催前日まで公開される予定。

 感染症対策として1日あたりの来場者の上限が5000人に制限された。来場者数は4日間で1万2825人(▽来賓39人▽省庁・研究機関・大学・教育関係者155人▽都道府県・市町村・公社等888人▽コンサルタント789人▽コンサルタント除く企業9211人▽海外6人▽一般1335人▽学生153人▽キッズ163人▽報道86人)だった。オンラインは97万5555PVだった。

西谷再整備事業でCM委託/東京設計・建設技術研究所JVに/横浜市水道局

 横浜市水道局は、西谷浄水場再整備事業などの実施にあたり、各施設整備に係る管理を公正かつ確実に行うためにコンストラクション・マネジメント(CM)業務を東京設計事務所・建設技術研究所共同企業体に委託することとし、16日に契約を締結した。対象とする施設整備はDB方式の「西谷浄水場再整備事業(浄水処理施設)に係る整備工事」、DBO方式の「西谷浄水場再整備事業(排水処理施設)」、DB方式の「相模湖系導水路(川井接合井から西谷浄水場)改良事業に係る導水施設整備工事」の3つで、受託者からスケジュールの管理や要求水準・技術提案の履行確認などのマネジメント業務の支援を受ける。

国際協力テーマにパネル討議/アルピニスト野口氏が基調講演/水を考えるつどい

国際協力テーマにパネル討議/アルピニスト野口氏が基調講演/水を考えるつどい

 8月1日の「水の日」の記念行事として、水循環政策本部、国土交通省、東京都らが主催する「水を考えるつどい」が2日、都内で開かれた。水の貴重さや水資源開発の重要性について関心の向上を図る啓発活動の1つで、来年4月に熊本市で開催予定の第4回アジア・太平洋水サミットの機運を高める目的もある。全日本中学生水の作文コンクールの受賞者表彰式や、アルピニスト・野口健氏による基調講演、水分野での国際協力をテーマとしたパネルディスカッションを実施した。行事の模様は、国交省YouTubeチャンネルで公開される。

 主催者あいさつでは、水循環政策担当大臣を務める赤羽一嘉・国土交通大臣が今年策定した流域治水プロジェクトや改正水循環基本法について紹介した上で、「本行事が多くの国民の皆さんにとって、水がもたらす恵みと災いや、健全な水循環の大切さを改めて考える契機となれば」と期待を述べた。

 野口氏は基調講演「エベレストから見た地球のこれから」の中で、ヒマラヤ山脈では気温上昇の影響で中腹の花が本来よりも早く咲いたり、乾季にもかかわらず連日雨が降るといった変化が起きていると語った。さらに、氷河の融解が氷河湖の決壊や麓の村の水没といった深刻な問題につながっていると述べ、「気候変動に対する関心を一過性のものにせず、危機感を維持し続けることが重要」と訴えた。