下水道のみらいを変える技術・製品一堂に/開幕!“ハイブリッド下水道展”大阪で

下水道のみらいを変える技術・製品一堂に/開幕!“ハイブリッド下水道展”大阪で

 下水道展’21大阪(主催=日本下水道協会)が17日、大阪市のインテックス大阪で開幕した。新型コロナウイルス感染症の影響により2年ぶりの開催。入場者数に上限を設け、感染拡大予防ガイドラインを作成するなど、対策に万全を期している。一方で、展示会場の出展者ブースではビデオ通話で直接アクセス可能な「リモート来場」も行われている。リアルとオンラインで初となる“ハイブリッド下水道展”には、282社・団体の出展があり、うち11社がオンライン展示のみ。下水道関連企業・団体の技術開発の成果が一堂に集まり、情報収集の絶好の機会となっている。なお、初日の来場者は3140人、オンラインは17万3975PVだった。

管路更新のペースアップ着実に/経営検討委で事業進捗管理議論/仙台市水道局

 仙台市水道局は6日、局本庁舎で「第2回仙台市水道事業経営検討委員会」(委員長=太田正・作新学院大学名誉教授)を開いた。仙台市水道事業基本計画(令和2~11年度)と仙台市水道事業中期経営計画(令和2~6年度)の実績評価などについて、外部の有識者から広く意見を聴取することにより、事業の客観性や透明性を高めるとともに、効率的かつ実効性のある事業運営に寄与することを目的とするもので、今回は水道局が示した昨年度の水道事業進捗管理報告書の案について意見交換を行った。

 基本計画と中期経営計画については、毎年度、中期経営計画の各事業で設定する108の取組項目にかかる進行状況などを評価することにより課題を明確化し、今後の取組項目などへの反映、社会情勢の変化などを踏まえた事業内容の見直し、基本計画に掲げる12の施策の基本的方向性に向けたプロセスの改善などにつなげていくこととしている。

地域住民の見守り体制強化へ/シーデーシー情報システムと協定締結/三島市

地域住民の見守り体制強化へ/シーデーシー情報システムと協定締結/三島市

 静岡県三島市は7月30日、水道料金徴収業務や検針業務などを委託しているシーデーシー情報システムと、「高齢者等見守りネットワークに関する協定」を締結した。対象は高齢者に限らず障がい者や子どもも含めた地域住民で、その見守り体制強化につなげる狙いがある。日頃の事業活動を通し、高齢者などの異変や支援の必要性などを見守ってもらい、異変などに気づいた際に通報してもらう体制を構築する。同社とは平成23年に災害時における応急に関する協定を締結している。

 これまで郵便局や医療関係、金融機関や宅配事業者など28の事業者と同協定を締結済みで、今回の協定締結に伴い協力事業者数は29となる。通報実績の総数は154件にのぼり、9件の緊急搬送を行っている。救命につながった例もある。

大雨、各地で断水/道路崩落で下水管破損も

 11日から続いた大雨により、九州や中国地方を中心に、土砂崩れに伴う管路の破損などが原因で断水が各地で相次いだ。浄水場が機能停止に至る被害は報告されていないが、厚生労働省のまとめでは5県22事業者、最大で3964戸が断水した。18日7時時点で9事業者160戸の断水が続いている。

 広島県内では、広島市で最大800戸が断水。道路崩落の影響により配水管(φ300)が機能喪失したことによる。仮設配管により応急復旧するとともに、応急給水所3カ所を開設し、同市の給水車3台で対応した。断水は16日正午に解消している。安芸高田市では、道路崩落により配水管(φ75)の破損により最大74戸が断水した。

 北広島町では道路が土石流により被災し、管路が機能喪失し、19日現在で68戸が断水中。応急給水所1カ所を開設し、同町の給水車1台で対応しているが、仮復旧の見通しは立っていない。竹原市では368戸、庄原市でも26戸が断水した。

 このほか、熊本県内では八代市(東陽町、泉町)、氷川町に給水する八代生活環境事務組合で氷川ダムの濁度上昇により水処理が困難になったことで1017戸が断水したが、復旧している。

目標降雨の設定など論点に/今後の浸水対策のあり方を検討/検討委が初会合中長期的視点で/東京都下水道局

 東京都下水道局は7月30日、第1回「今後の下水道浸水対策のあり方検討委員会」をウェブ会議形式で開いた。台風や豪雨による被害が激甚化・頻発化している状況を踏まえ、総合的な治水対策の推進に向けた「東京都豪雨対策基本方針」の長期見通しを基に、中長期的な視点で下水道の計画や対策のあり方を議論していく。委員会のメンバーは、学識者5人と、佐々木健・同局計画調整部長で構成。委員長は、森田弘昭・日本大学教授が務める。今回を含めて全3回の会議を予定している。

次期中期経営計画へ研究会が報告書/SDGsとの関係を整理/老朽化対策など強化施策も/横浜市環境創造局

次期中期経営計画へ研究会が報告書/SDGsとの関係を整理/老朽化対策など強化施策も/横浜市環境創造局

 横浜市環境創造局は、横浜市下水道事業経営研究会(第8期)の報告書をとりまとめ、3日に同研究会座長の滝沢智・東京大学大学院教授が小林一美・横浜市副市長に報告書を提出した。報告書は、次期中期経営計画の策定に向け、研究会で審議された▽下水道事業の取り組みによるSDGsへの貢献▽横浜市下水道事業中期経営計画2018中間振り返り▽横浜市下水道事業における今後強化すべき施策―についての提言をとりまとめたもの。同局は、報告書の内容を踏まえ、今後の計画策定に生かしていく考えだ。

 SDGsについては、次期計画の主要施策として、SDGsとの関係を整理して、下水道事業を市民や企業にわかりやすく伝えるよう提言している。

 中期経営計画の中間振り返りは、その結果を市民へわかりやすく伝える目的があることから、その工夫として、施策のすべての取り組みではなく施策を代表する取り組みの目標値を示すことを求めた。

浄水部門次期産官学共同プロジェクト/維持修繕・更新、再構築を柱に/参加企業向け説明会開く/JWRC

 水道技術研究センター(JWRC)は5日、浄水部門の次期産官学共同プロジェクトの参加企業向けの説明会をオンラインで開催した。次期プロジェクトの研究テーマには、「設備の維持修繕・更新」と「施設の再構築」という2本柱を設定。成果は手引きとしてとりまめる予定で、テーマに関する取り組みに際して参照できるものとすることに加え、新たな浄水方法や新技術の採用促進につなげる狙いがある。研究期間は今年10月~令和7年9月末までの3年間で、その後の1年間は成果普及活動期間とする。今後は、9月中旬まで参加企業を募集した後、10月中旬に発足会を行う予定。参加条件などの詳細はJWRCのホームページを参照。

上下水道製品への影響拡大も/鉄スクラップの高騰続く

 世界的な鉄鋼材料、鉄鋼製品の価格高騰は収まる気配を見せない。

 電炉メーカー大手・東京製鐵の鉄スクラップ購入価格を参考にすると、2008年以降は単位量あたり1万5000~4万円前後のレンジで推移してきたが、今年に入り、2月上旬の3万8000円を底値に、6月下旬まで高騰を続け5万1000円を超える局面も見られた。

 7月に入り需給が緩むも、5万円前後の高価格帯での取引が続く。同社の第1四半期決算短信では今後の見通しについて「海外では鉄不足の状態が解消されず鋼材需給は引き締まった状況が続く」と発表していることからも、高止まり、あるいはさらなる高騰が進むと見る市場関係者も多い。

創エネ型脱水焼却システムを開発/カーボンニュートラルの実現へ/AIで含水率、運転条件を最適化/月島機械

 月島機械は、補助燃料が不要で消費電力を上回る発電が可能な、下水処理場向けの「創エネルギー型脱水焼却システム」を開発した。2050年カーボンニュートラルの実現に向け、環境技術を駆使した汚泥処理のトータルシステムに注目だ。

 前段の脱水工程には、後段の焼却工程から排出される温水を有効利用する「加温濃縮脱水システム」を導入。汚泥を濃縮してから温水を混合し再濃縮することにより、脱水性を高め、70%以下の低含水率化を実現した。 加温された汚泥は、温度の上昇によるタンパク質の熱変性、粘度の低下、さらには再濃縮の過程で脱水阻害成分が洗い流されるため、加温後に添加する無機凝集剤(ポリ硫酸第二鉄)の反応が飛躍的に向上し、含水率が低下した。