次亜の管理 徹底呼びかけ/塩素酸の基準値超過見られ/水質基準逐次改正検討会/厚労省

 厚生労働省による水質基準逐次改正検討会(座長=松井佳彦・北海道大学大学院教授)の今年度第1回がオンラインで開催された。▽農薬類の目標値の見直し▽要検討項目の実態調査計画▽塩素酸への対応―について議題になった中で、塩素酸に注目したい。近年、塩素酸の基準値を超過する水道事業者が見られ、多くは次亜塩素酸ナトリウムの適切な管理がなされていないことに起因するものだという。次亜塩素酸ナトリウムは〝生もの〟として取り扱うのが管理の鉄則とされる。今回、この議題を設定したのは、夏を迎えるこの時期、改めて次亜塩素酸ナトリウムの管理の徹底を促したい狙いもあった。水道事業者は日々の水質管理に気を引き締めたい。

下水道管路情報PF構築へ/モデル実証事業の公募開始/国交省

 国土交通省下水道部は、台帳の未電子化団体の電子化支援を目的とした下水道管路情報の共通プラットフォームの検討に日本下水道協会と連携して取り組んでいる。共通プラットフォームは、標準仕様に定められた形式等により、下水道管理者が保有する管路施設について施設情報や維持管理情報を一元的に管理・運用することで、業務の効率化やマネジメントの向上を図ろうとするもの。共通プラットフォー構築に向けた検討の一環として、モデル実証事業を実施し、電子化による業務効率化を検証する。

土石流の熱海市で断水/下水道管の閉塞、破損も

 梅雨前線に伴う大雨により、3日に土石流が発生した静岡県熱海市の伊豆山地区の上下水道の被害が懸念される。同地区では5日午前10時現在、1100件が断水し、簡易水槽・給水タンク設置を設置し応急給水を実施している。

 同市公営企業部温泉水道課によると、土石流により配水池が破損し、そこから同地区に配水する配水本管も破損していることが予想される。管路の被害調査は土砂の撤去後に行われることになるが、現場では人命救助を最優先に慎重に作業が行われており、土砂の撤去と、水道の復旧に向けた作業の今後の見通しは現時点では立たないという。

インサープラグ分岐型を施工/技術継承へ見学会開く/会津若松市上下水道局

インサープラグ分岐型を施工/技術継承へ見学会開く/会津若松市上下水道局

 会津若松市上下水道局は、一箕町亀賀川西配水管布設替(防護)工事で、φ300のインサープラグ分岐型の施工を実施した。電線地中化工事を行うにあたり既設配水管が支障となるため配水管の布設替えを行うもので、対象管の給水範囲は約1300戸で断水すると地域住民に大きな影響が出ることから、不断水で新設管への切り換えが可能なインサープラグ分岐型を2カ所で設置した。元請は東邦工業、施工者はコスモ工機。インサープラグ分岐型の施工は平成18年度に一度行って以来であることから、6月21、22日に施工見学会を開催し、高橋智之・会津若松市上下水道事業管理者をはじめ局職員延べ約40人が参加した。

コロナ禍でも各種目標を達成/堺市上下水道局/上下水道事業懇話会を開催

 堺市上下水道局は6月23日、令和3年度第1回上下水道事業懇話会(座長=貫上佳則・大阪市立大学大学院教授)を開催した。上下水道事業および財務会計の有識者を委員として招き、令和2年度事業における自己評価の報告を行った。

 同局は例年、水道ビジョンの実効性確保のため、前年度の事業実績に対する自己評価を経営診断書に取りまとめ、懇話会での有識者による外部評価を経てホームページで公開している。診断結果を次年度以降の計画に盛り込むなど、経営改善にも活用している。

御前崎市、牧之原市と協定/水質分析により地表漏水判別/水質管理分野で連携/静岡県企業局

 静岡県企業局は、御前崎市および牧之原市と「緊急時の漏水調査に関する協定」を締結した。同局西部事務所水質管理センターが研究開発した水質分析により地表漏水を判別する技術を、両市でも実施することを定めたもので、両者が連携して低コストかつ迅速な対応を目指す。今年3月に湖西市、4月には森町と同様の協定を締結しており、水質管理分野での連携の拡大を図った。

タイの維持管理能力向上へ/JICAプロジェクトで技術支援/埼玉県下水道局

タイの維持管理能力向上へ/JICAプロジェクトで技術支援/埼玉県下水道局

 埼玉県下水道局は6月25日、「タイ国レムチャバン市下水道インフラ維持管理支援プロジェクト」に関する覚書に署名した。JICA草の根技術協力事業として、今後3年間にわたり、市職員の下水道維持管理能力の向上と、持続可能な開発目標(SDGs)の1つである「未処理汚水の半減」の達成を目指していく。

 タイ国内最大の貿易港を擁するレムチャバン市は、成長著しいタイの経済を牽引する物流の要衝として知られる人口約9万人の都市。港に隣接する工業団地には、世界的な大企業が多数進出している。一方で、市の下水道は、管きょの機能不全やポンプの故障、非効率な処理場の設備などにより本来の処理機能を発揮できておらず、下水道に対する市民の関心も低いなど、多くの課題がある。

下水熱利用事業で協定締結/管から熱回収、地域冷暖房に活用/東京都下水道局

 東京都下水道局は6月24日、令和5年に開業を予定している「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業(虎ノ門・麻布台プロジェクト)」での下水熱利用事業に関し、熱供給事業者の虎ノ門エネルギーネットワークと協定を締結した。下水道管の底部に設置した熱交換器で採熱する「管底設置方式」で回収した下水熱を地域冷暖房に活用する全国初の試みとして注目される。

小規模簡易DBの効果検証で議論/モデル事業体ヒアリングへ/管路更新を促進する工事イノベーション研究会/ダク協

 日本ダクタイル鉄管協会は6月28日、「管路更新を促進する工事イノベーション研究会(第2期)」(座長=滝沢智・東京大学大学院教授)の第4回研究会を日本水道会館でウェブ会議を併用して開催した。地元管工事企業を主体とする、簡易で小規模な管路の設計施工一括発注方式である「小規模簡易DB」について、委員として参加している水道事業体におけるモデル事業の検討・実施状況を報告するとともに、モデル事業による効果の検証・評価方法について議論した。今後、モデル事業体へのヒアリングを実施する予定。

米誌「Newsweek」日本企業を特集/アジア市場さらなる拡大/インフラ建設で中心的役割果たす/大成機工、栗本鐵工所、安部日鋼工業

 米国の政治・経済誌「Newsweek」国際版が5月14日付の特集「世界のインフラ構築に向けた競争」の中で、日本企業12社をピックアップし、上下水道関連から大成機工、栗本鐵工所、安部日鋼工業を取り上げた。同誌は「日本企業は高品質なインフラプロジェクトや技術、専門知識、経験を活用し、今後もアジアや米国などのインフラ建設において、さらに中心的役割を果たすだろう」と世界市場における躍進ぶりを紹介している。