農薬類の目標値を強化/要検討項目に「PFHxS」/厚生科学審議会生活環境水道部会/厚労省

 厚生労働省の第22回厚生科学審議会生活環境水道部会(部会長=古米弘明・東京大学大学院教授)が、緊急事態宣言下の状況を踏まえ、持ち回り審議により開催された。農薬類の見直しや要検討項目への新規追加などの「水道の水質基準等の見直し」をはじめ、「水道行政の最近の動向等」「建築物衛生行政の最近の動向等」が議題となった。

発表700編 活発な質疑応答/第55回年会をオンライン開催/日本水環境学会

 日本水環境学会(会長=松井佳彦・北海道大学大学院教授)は京都大学と共催で、第55回年会を10~12日の間、オンラインで実施した。全国の大学、研究機関、企業から1200人を超える会員、関係者らが参加。約700編の口頭・ポスター発表に対し活発な質疑応答がなされた。次回年会は、来年3月に富山大学で開催する。

 年会は、水環境の幅広い研究の発展と会員同士の交流の場として毎年開催している。各種表彰や就活生向けの水環境ビジネスガイダンスなどを通じ、情報共有の場としての役割も果たす。昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となっていた。

 開会式で松井会長は「この場が今後の研究・技術発展の一助となれば」とあいさつ。続いて京都大学から、類人猿研究の第一人者である山極寿一・名誉教授が、「コロナ後の人と自然の関係について考える」と題し特別講演を行った。山極名誉教授は、人類による大規模な環境破壊が新型コロナ感染症拡大の原因のひとつだと指摘。それらを修復しつつ人類にとって幸福な社会を作るうえで、シェア&コモンズの概念がカギになるとした。

広域化・官民連携の重要性を共有/ウェブで府域一水道セミナー/大阪府健康医療部

 大阪府健康医療部は、「府域一水道に向けたWebセミナー」を開催した。府域水道が抱える課題や取り組みを知ってもらうことを目的に、熊谷和哉・厚生労働省水道課長らが講師を務め、府域一水道の意義などを語った。当面の間ホームページで公開する。

 セミナーは、基調講演と府域一水道に向けた取り組み紹介の2部制で構成。第1部は熊谷課長が「水道事業の広域連携―水道事業を取り巻く現況と府域水道に期待すること」、浦上拓也・近畿大学経営学部教授が「持続可能な水道事業経営と広域化」と題して講演した。

 熊谷課長は、水道の歴史を世代ごとに分け、現在は第三世代末期から第四世代への移行期だと説明。事業環境の特徴として、省人力型の事業運営など人口減少化の対応を挙げた。広域連携については、汎用性を求めた標準化や共通化が今後の方針となるとした。都道府県ごとに抱える課題に違いがある中でも、主体、事業形態、人口規模、職員集中度などいくつかの指標をもとに類似性などを見出せると指摘。今後の大阪府の水道事業のあり方については、事業情報の棚卸しをし、標準化、共通化できる業務を一つずつ積み上げていく必要性を述べた。

小規模浄水設備の整備促進/カンボジアと覚書締結/神鋼環境S

 神鋼環境ソリューションは3日、カンボジア工業科学技術革新省(MISTI)と「小規模浄水設備促進に関する協力覚書」を締結したと発表した。

 カンボジアでは地方部の上水道普及率が低く、MISTIは北九州市や北九州市海外水ビジネス推進協議会(KOWBA)と協力し、カンボジア国内の水道普及を促進している。カンボジアの郊外や農村部では都市部とは異なり、地域ごとの水需要量に合わせた水道施設が必要となっている。同社は、コーダック地区/コーオクニャーテイ地区(対象人口約2万人)において、地元パートナー企業と共同で水道事業を行っており、これまで小規模浄水設備として同社のASF(オート・サイフォン・フィルター=サイフォン現象を利用して逆洗を実施するため機器点数が少なくメンテナンス性に優れた省電力な重力式急速ろ過装置)を同国に計5件納入してきた。