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2009年(平成21年) 12月  7日(第4535号)






具体的な提案・説明が必要/国等への要望活動
  /民主党議員から指摘/日水協
 「要望」よりも「提案」を―。日本水道協会は2日、水道事業の健全な発展を図るため、与党と関係府省等に対して要望活動を展開した。国会内で行った民主党への要望では、水道の重要性に一定の理解を示す発言もあったが、具体的なデータを示した上で論点を絞って提案すべきだとの指摘も受けるなど、従来の要望活動に一石を投じられる形となった。水道事業体が抱えるさまざまな課題の解決には国の理解と支援は欠かせない。いかに理解を得るのか。これまで以上の説明責任を水道界は求められている。

ストックマネ「手引き」作成へ/国交省
 国土交通省下水道部は下水道事業へのストックマネジメント手法導入促進を図るための“手引き”を作成する方針だ。「下水道施設のストックマネジメント手法に関する検討委員会」(委員長=滝沢智・東京大学大学院教授)を設置し、これまでに同部が公表している「下水道事業におけるストックマネジメントの基本的な考え方(案)」を踏まえ具体的に、施設の状況把握や寿命設定、施設管理計画の策定などについて検討を進める。今年度内の取りまとめを目指すという。
 同部によると、下水道のストックは平成20年度現在、管きょ延長約41万キロ、処理場数は約2,000カ所に上り、計画的で効率的な施設管理が求められている。検討委ではストックマネジメントを推進する上での諸課題について検討するが、まずは自治体ですでに実施されている事例をもとに「動き出している考え方を整理して、使える情報を世の中に出してみる」(同部担当官)という。手順や手法は1つに絞らず、様々なパターンを考慮する方針だ。

関係省庁にも要望活動/国交省、総務省で政務官に面会
 要望活動は関係府省にも実施した。要望団は水道の重要性を訴え、必要な措置を講じるよう求めた。
 国土交通省に要望したのは竹内洋二・名古屋市上下水道局総務部長を団長に小瀬俊治・奈良市水道局業務部次長の2名。三日月大造・大臣政務官に面会し、総会で決議された会員提出問題のダム等の水源施設の開発促進、地下水利用の対応などについて説明。三日月政務官は日頃から国民に安全な水道水を供給していることに感謝した上で、「日本の水道水は世界で最も安全で誇るべきこと。蛇口から水が飲める文化を大切にしなければならない。皆さんと連携しながら検討していきたい」と要望内容に一定の理解を示した。また、「50年、100年後には水は戦略物資になる。日本の水資源をいかに守るか国家戦略として考えていきたい」と水の国際展開について意見を述べた。
 総務省では小川淳也・総務大臣政務官に面会。白根敬介・盛岡市水道事業管理者、渡邊滋夫・松山市公営企業管理者、小西利男・高松市水道局次長ら要望団は「水道は重要なインフラであり、施設整備は起債を原資に行っている。今後も十分な起債の手当、高利子の起債の借換をお願いしたい。また地方公営企業繰出制度の拡充もお願いしたい」と要望した。小川政務官は「しっかりお預かりする」と答えた。また小川政務官は、各地の水道事業や水源の状況などについて質問し、各事業体からの説明に熱心に耳を傾けていた。

“次世代型施設への転換”に/22世紀型下水道研究会
 日本下水道協会は11月25日、第2回22世紀型都市の水循環と下水道研究会(座長=松尾友矩・東洋大学大学院教授)を同協会会議室で開き、今後の研究テーマの選定などを行った。次回の研究内容は「今後の下水道の役割」と、各自治体が課題として挙げている「施設の再構築」をベースに、施設の更新を進めながら次世代型施設への転換につなげる提案を委員にしてもらう方針。

広域化、事業体の格差が課題/水道セミナーで滝沢教授
 水道技術研究センターは11月26~27日の2日間、第19回水道技術セミナーを日本青年館で開催した。「水道事業の運営基盤強化に向けて」をテーマに、広域化に関する話題提供を中心に学識者らが講演した。100人近くが参加し、会場は熱気に包まれた。
 初日に演壇に立った東京大学の滝沢智教授は、日本水道協会の「水道の安全保障に関する検討会」でのアンケート結果から、広域化の先行事例や効果などを解説。広域化と公民連携が経営の安定性と持続性を確保するとし、広域化を阻害する要因として料金・財政・施設整備の面で事業体間に格差があることだと指摘した。それを乗り越えるためには、事業体間の連携や上級官庁の指導力に期待するとし、水道への国民の関心を高め、広域化コーディネーターの役割にも期待するとまとめた。

次の更新を見据えた再構築を/神奈川県内水道事業検討委
 神奈川県内水道事業検討委員会(会長=眞柄泰基・トキワ松学園理事長)の第4回会合が11月30日、神奈川県庁で開かれた。神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市、神奈川県内広域水道企業団の水道施設の再構築や広域化により水需要に見合った適切な施設能力とするための施設モデルの検討結果、広域化の理念、「神奈川県内水質管理センター(仮称)」モデルの検討結果が事務局から示され、それらについて議論を重ねた。

消費者の理解を得ることが重要/東京都水道事業経営問題研究会
 東京都水道局は11月27日、都庁第二本庁舎で「第24回東京都水道事業経営問題研究会」(座長=井出秀樹・慶應大学教授)を開いた。
 今回の研究会では、危機管理体制の強化、利用者サービスと広報広聴、効率的な経営、国際貢献などの事業運営上の課題について議論した。前々回から行われた事業運営上の課題についてあがった意見は平成22年度からの新たな経営プラン策定に反映していくという。
 危機管理体制の強化については「応急給水では、都立高校やボランティアも活用していくことは非常に有意義。訓練にも参加してもらえば、意識の向上に繋がる」「災害時には、飲み水はもちろんのこと、煮炊きするための熱が必要になる。他のライフラインと一体となった対応が必要になる」などの意見が出された。また、広報広聴関係では、「利用者からの苦情・情報は問題解決のヒントなので、大事な資料として蓄積していってほしい」、国際貢献では、「高い水道の技術を活かし、国際貢献を戦略的に実施する必要がある」「持続した技術支援を行うことが重要」「監理団体を活用して技術を中心とするビジネス展開の検討も」「現在は自治法上の制約があるが、法改正が行われた場合の準備も」などの意見があった。

施設更新でPFI導入を/夕張市
 夕張市上下水道グループは、老朽化が著しい水道施設の更新手法として民間の資金や技術力・ノウハウを活用するPFI等を検討しており、導入可能性調査を実施することを決めた。調査費用として12月の補正予算に3,200万円を盛り込むこととしており、来年1月から15ヶ月にわたり調査を行うこととしている。
 同市は、平成20年4月から全施設を第三者委託しているが、さらなる業務の効率化、市民サービスの向上を図るため、浄水場の建て替えや改修、運転管理、送・配水管の更新などで民間企業を活用したい考えだ。
 同市の旭町、清水沢の2ヵ所の浄水場は、稼働後40年以上が経過し、老朽化が進み、故障も多くなっているという。清水沢浄水場については、補修により延命化を図り、特に老朽化が著しい旭町浄水場についてはリニューアルする計画。

技術教育センター開設25周年で記念式典/名古屋市上下水道局
 名古屋市上下水道局の技術教育センターは開設して25年という節目の年を迎えた。それを記念して、11月25日、初代の所長をはじめ、同局のOBや日頃現場を見る機会の少ない事務系の若手職員、現在同市を訪れているJICAの研修生(13人)などが出席するなか、同センターで記念式典が開催された。
 式典で、三宅勝・上下水道局長は「職員の大量退職時代を迎え、長い間培ってきた技術・技能を、いかに若い世代に伝えていくかが重要な問題だ。さらに研修内容を充実させ、人材育成機関として、次の25年の技術を支え、お客さまに信頼される上下水道局を作っていきたい」と挨拶した。

時間60ミリの降雨に対応/横浜市環境創造局星川雨水調整池整備事業
 横浜市環境創造局はこのほど、星川雨水調整池築造工事に本格的に着手した。同工事は帷子川左・右岸の地盤が低く、浸水被害が多発している約250haにおいて、台風や集中豪雨などによる浸水被害を軽減するため、1時間あたり約60ミリの降雨に対応できる雨水調整池の整備を行うもの。
 雨水調整池の建設場所は同市保土ヶ谷区にある通称「保土ケ谷へそ広場」として区役所が中心となり暫定利用されている場所で、市街地の貴重なオープンスペースとなっている。調整池上部は公園等として整備し、地域のレクリエーションやスポーツ活動等の場所として、災害時は避難場所として区役所等と一体的に防災機能を発揮できる場として活用する。

水道工学研修に参加して/岩手県矢巾町 照井義秀さんに聞く
 国立保健医療科学院の水道工学研修は、水道界を担う人材を育成する場として毎年実施されている。研修生が所属する組織は、多くが市レベルの水道事業体や都道府県の衛生部局であるが、今年は岩手県矢巾町上下水道課から参加者があった。本紙では、研修に参加した同課の照井義秀さんに、水道工学研修の感想や参加する意義などについて聞いた。
 今回、水道工学研修に参加するきっかけになったのは、伊藤雅喜先生(国立保健医療科学院水道工学部水道計画室長)との出会いです。「水を語る会」や岩手紫波地区水道事業協議会の研修の講師として来ていただいたときに、研修の話を聞いて興味を持ちました。

事故調査委設置し原因究明へ/工水送水管の漏水事故で/川崎市水道局
 2日夕、川崎市中原区の市道で昭和37年3月に布設した工業用水2号送水管(鉄筋コンクリート鋼管、φ1,300mm)が漏水した事故で、川崎市水道局は4日、委託業者の誤操作が漏水事故の要因の1つであることを明らかにした。委託業者が監視制御装置を保守点検中に操作を誤ったことで仕切り弁が作動して開度5%になり、これによりウォーターハンマーが発生し、管内部の圧力が異常に上昇したという。また、4日午前0時頃、中原区上新城2丁目で、同2号送水管から漏水する事故が発生し、早急に漏水箇所を修理した。
 同局では、今回の事故の原因究明と再発防止に向け、早急に外部有識者等で構成する事故調査委員会を設置し、今後必要な対策を取りまとめるとしている。

陥没データ基づく更新を/管路管理協管路セミナー
 下水道の膨大な管路施設ストックを効率的に維持管理していくためには、適切な調査と調査結果を踏まえた計画的な改築や修繕が必要とされている。11月24日に東京都千代田区のスクワール麹町で開かれた「管路管理セミナー」(主催=公益社団法人日本下水道管路管理業協会)では、長寿命化計画策定の実務や下水道長寿命化支援制度に関する手引き(案)平成21年度版が紹介されたほか、「攻めの維持管理」として注目を集める東京都の道路陥没対策なども紹介された。

回収リンの可能性探る/リン資源リサイクル推進協
 リン資源リサイクル推進協議会(事務局・日本有機資源協会)などが主催するシンポジウムが11月20日、東京・永田町の星陵会館で開催された。リン資源の回収や再利用をテーマにしたこのシンポジウムは今年7月に開かれて以来2回目。
 今回は「迫り来るリン資源の危機」と題して、海外のリン資源リサイクルの状況に詳しい米国スティーブンス工科大学のデイビッド・バッカーリ准教授の講演をはじめ、化学肥料メーカーなど関連する企業・団体から回収リンの肥料利用効果などについての事例発表が行われた。来賓として農水省、経産省、国交省、環境省も出席した。

計器事業で新会社発足/東光電気東芝
 東光電気と東芝は1日、計器事業新会社「東光東芝メーターシステムズ株式会社」を発足した。代表取締役社長には多田文彦氏(前東芝電力流通・産業システム社電力流通システム事業部計器事業統合会社設立推進担当グループ長)が就任した。また代表取締役会長には布野俊一氏(東光電気代表取締役社長)が就任した。

保険制度説明会を東京・大阪で/水コン協
 全国上下水道コンサルタント協会(水コン協)の「水コンサルタント賠償責任保険制度・第三者賠償補償制度説明会」が11月30日に東京都荒川区の同協会会議室、2日に大阪市西区の大阪科学技術センターで開催された。
 水コン協では、コンサルタントの責任対応の一助として平成11年3月から「水コンサルタント賠償責任保険制度」、21年度からは第三者賠償補償制度(各種調査業務を遂行する上で発生した、偶発的事故に対する補償制度)を導入、多くの会員が活用している。しかし近年、設計に起因する事故件数が増加し賠償責任保険制度の収支が悪化していることから、22年度より保険料の改定が予定されている。そこで、両制度の取扱代理店であるアールアンドディセキュリティから講師を招き、両制度の概要、保険料改定のポイント、そして事故事例と事故を未然に防ぐための対策などの説明を受けた。

甲府市で試験施工行う/ハットリング工法研究会
 地震時のマンホール浮上抑制工法のハットリング工法の普及を進めているハットリング工法研究会は12日、甲府市で試験施工を行った。同市でのマンホール浮上対策の試験工事の実施は初めてで、参加者も高い関心を示していた。

新社長に安藤敏博氏/中日本建設コンサルタント
 中日本建設コンサルタント社長に安藤敏博・副社長が11月26日の株主総会で選任された。
 〔あんどう・としひろ〕名古屋市昭和区在住。昭和44年3月に名古屋大学工学部土木学科を卒業し、同年4月に入社。平成5年11月取締役、同12年11月常務取締役、同19年11月専務取締役、同20年11月取締役副社長執行役員を経て、同21年11月、代表取締役社長に就任。昭和22年2月20日生まれの62歳。
 なお、前社長の越智俊彦氏は相談役に就任。

プレゼンで新展開/年間200回目指す/IDE研究所・井出代表
 IDE研究所の井出浩司代表(第一高周波工業パイプ事業部顧問)は、防食鋼管システムのプレゼンテーション活動が新展開を迎えたことを明らかにした。
 これまでは官公庁や水道事業体を対象に120件のプレゼンを行い、成果を上げてきた。今冬からは水道コンサルタント、ゼネコン、サブコンなど民間需要家約80件を対象にプレゼン活動を行っていく予定。
 プレゼンでは水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管・管端防食継手に対する転造ねじ接合の適用、フランジ付ポリエチレン粉体ライニング鋼管、転造ねじ接合の加工原理・切削ねじとの比較・採用事例、溶接不要のフレア加工法をアピールする。
 井出代表は「プレゼンを全国展開し、ポリ粉体鋼管のトータルシステムの受注につなげたい」と話している。

東京ガス・エンジニアリング代表取締役社長 藤岡治郎氏に聞く
今年で創業35年を迎えた東京ガス・エンジニアリング。東京ガスの100%子会社として都市ガス、LNGをはじめとするエネルギー事業まわりの設備建設やコンサルティング、装置販売事業に関わるシステム構築などを手掛けてきた。「当社では設立間もない頃より、水道や下水道分野でもエネルギーに関わる仕事に取り組んできました。そういう意味では“水”については馴染みが深い」と藤岡社長は設立当時を振り返る。

JICA本部で授業ジャック/管路総研
 水環境シンクタンクの管路管理総合研究所(東京・有楽町、長谷川健司理事)は、JICA本部でコスタリカから来日した研修生を対象に授業ジャック(出前授業)を行った。外国人相手の授業ジャックは初めて。ティッシュとトイレットペーパーの水への溶け方の実験や通訳を介しての下水道に関するクイズなどに研修生は目を輝かせていた。