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2015年(平成27年)10月26日(第5030号)

本号の特集

熱心な議論、情報共有/産官学の水道人が集い/さいたま全国会議が閉幕/日水協

さいたま市で行われていた日本水道協会の全国会議(第87回総会・水道研究発表会、21~23日)が幕を閉じた。総会で21題におよぶ会員提出問題の討議が行われたのをはじめ、2日目に開かれたシンポジウムでは「地下水と水道事業」を巡って考えを深めた。3日間行われた水道研究発表会では368編もの最新知見が披露された。産官学の水道関係者が一堂に集い議論を重ね、情報共有に努めた全国会議。水道を持続・発展させる―。関係者のこの思いは、来年の京都市での開催に引き継がれる。

下水道使用料の考え方見直す/「資産維持費」導入へ/国交省・下水協

国土交通省下水道部と日本下水道協会は、下水道使用料算定の基本的な考え方の見直しに乗り出した。今年2月に社会資本整備審議会から答申のあった「新しい時代の下水道政策のあり方について」の中で、予防保全的管理などの財源が必要となることを踏まえ、使用料算定の考え方について見直しの検討が求められていたことを受けてのもの。9日、「下水道使用料調査専門委員会」(委員長=鈴木豊・東京都下水道局総務部理財課長)の初会合が日本下水道協会で開かれ、来年度を目途に、同協会発行のマニュアル『下水道使用料算定の基本的考え方2007年度版』を改定することが示された。

来年は京都市で開催

来年は京都市で開催
来年は京都市での開催となる。初日の会議日程終了後の懇親会では、恒例の“協会旗引き継ぎ式”が行われた。さいたま市の日野管理者から託された京都市上下水道局の向畑秀樹・次長㊨=は「職員一丸となって準備していきたい」ときっぱり。会場(総会=ロームシアター京都、水道研究発表会・水道展=みやこめっせ)の近くには京都水道のルーツ「琵琶湖疏水」も流れているといい、「来年が待ち遠しい」との声が懇親会場のあちこちで上がった。

軽減税率適用や広報など21題を陳情へ

【総会・会員提出問題】
 初日、第87回総会での第4号議案では、会員提出問題について審議し、21題すべてを関係当局に陳情することに決めた。これまで継続して水道事業が取り組んできている問題が多い中、「水道料金に対する軽減税率の適用について」と「水道事業の公共電波(テレビ等)による広報(PR)活動について」は、目新しい提出問題だった。

ガイドライン概要を報告/ストックマネジメント/国交省

国土交通省下水道部は8日、第2回「下水道事業のストックマネジメント実施に関するガイドライン策定検討会」(委員長=滝沢智・東京大学大学院教授)を日本下水道新技術機構で開いた。下水道法の改正に伴い、25年9月に策定した「ストックマネジメント手法を踏まえた下水道長寿命化計画策定に関する手引き案」を改定し、新たにガイドラインを策定するために議論している。

各国水道の課題を共有

22日には厚生労働省、日本水道協会、IWA・Japan―YWPによる「海外水道フォーラム」が全国会議の会場近くのホテルで開催された。マレーシア、ラオス、台湾、インドネシア、タイ、インド、オーストラリア、アメリカの各協会、水道セクションから先進事例が披露され、各国が直面する水道の課題について情報交換された。

衛生工学シンポ11月12日に開催/北海道大学

北海道大学工学部衛生環境工学コース(旧・衛生工学科)は11月12日に「第23回衛生工学シンポジウム」を工学部フロンティア応用科学研究棟で開催する。衛生工学・環境工学に関連する幅広い内容の発表が行われる。
 「拡がる水環境保全研究」「廃棄物分野における国際協力の事例」「衛生工学・環境工学と農業の連携・協働」をテーマにした企画セッションをはじめ、特別セッション、衛生・環境工学関連企業の活動の紹介、北大環境衛生工学コースにおける最新の研究成果の紹介もある。
 参加費は1000円(CD―R要旨集を含む)。シンポの詳細は同コースのホームページに。

日明汚泥燃料化センターが稼働/年間7030tの燃料化物製造/温室効果ガスや処理コスト低減/DBOで施工は新日鉄住金エンジ/北九州市

日明汚泥燃料化センターが稼働/年間7030tの燃料化物製造/温室効果ガスや処理コスト低減/DBOで施工は新日鉄住金エンジ/北九州市
下水汚泥から燃料化物を製造する北九州市上下水道局の「日明汚泥燃料化センター」が完成し、20日から運転を開始した。同事業は、日明浄化センターに集約される新町、曽根、皇后崎、北湊の4浄化センターの脱水汚泥を原料に造粒乾燥方式で年間7030tの燃料化物を製造し、石炭代替燃料として事業者に売却するもの。これまでの都市ごみとの混合焼却方式と比較すると、年間約1万1200tの温室効果ガスの削減、約2億円の処理コストを低減できるという。事業方式はDBO方式で、施工は新日鉄住金エンジニアリング、維持管理・運営(27年10月~47年9月)は同社とケイ・イー・エスが設立したSPCが行う。同日、完成式典を開き、北橋健治・北九州市長や藤原真一・新日鉄住金エンジニアリング社長、来賓者らが完成を祝った。

桂沢浄水場をDBで全面更新/事業者はメタグループに決定/桂沢水道企業団

桂沢水道企業団は15日、桂沢浄水場更新事業の事業者をメタウォーターを代表企業とするグループに決定したと発表した。この事業は同企業団水道用水供給事業における基幹浄水場である桂沢浄水場の老朽化が進んだことに加え、耐震調査の結果、施設の補強が必要とされたため、膜ろ過施設へ全面更新し、良質で安全・安心な水を安定供給することを目的としている。
 企業団は事業を実施するにあたり、1.安全 2.強い 3.省エネルギー 4.維持管理の容易性 5.これまでの経験を活かした施設の構築―5つの理念を掲げた。同事業で要求する機能は、計画一日最大送水量3万6219立方m/日(平成32年度)。事業は民間事業者に調査、新設施設・撤去施設に関する設計、建設を一括で発注するDB(デザインビルド)方式で実施する。

小規模応急給水槽完成で訓練/住民、区、施工業者ら110人で/東京都水道局

東京都水道局は15日、足立区北宮城町公園内に小規模応急給水槽が完成したことに伴い、地域住民らと連携し応急給水槽を活用した応急給水訓練を行った。災害時の迅速な応急給水体制の確保と同局が進める震災対策の認知度向上が目的。訓練には局職員をはじめ、地域住民、足立区役所職員、応急給水槽の施工を担当したコスモ工機社員ら約110人が参加した。

水源林事業50周年で式典/現地で記念植樹や除伐作業/岡山市水道局

次世代を見据え、水源涵養機能が高い「緑のダム」の形成、健全な森林育成を継続へ―。「岡山・鏡野水源林50周年のつどい」が6日、岡山県鏡野町第4次水源林の敷地内で行われた。岡山市水道局が昭和40年から、水源の旭川源流域(鏡野町富地域)で、針葉樹(スギ・ヒノキなど)を中心に4回にわたり造林して以来、今年で節目の年を迎えた。同市はこれまで、同地域内の約169ha(東京ドーム約35個分)に約53万本を植栽している。

太閤建設、第一環境と災害時協定/危機管理体制の強化へ/那覇市上下水道局

那覇市上下水道局は15日、危機管理体制を強化するため、同局のお客様センターを運営する太閤建設・第一環境連合体と「災害等における応急措置等への協力に関する協定」を結んだ。調印式では、翁長聡・同市上下水道事業管理者上下水道局長、浦崎家三・太閤建設社長、白井宏明・第一環境九州・沖縄支店長兼那覇営業所長が協定書を取り交わした。

経営、人材育成を学ぶ/外部講師招きセミナー開く/国立保健医療科学院水道工学研修

9月7日から10月16日まで行われた、国立保健医療科学院の今年度の水道工学研修では、水道事業経営と人材育成をテーマにそれぞれ外部講師を招いてセミナーが開かれた。技術系の研修が中心である水道工学研修において、水道事業経営がテーマになることは珍しい。また、人材育成においては、新たな手法として注目されている「ワールド・カフェ」を体験した。
 9月14日のセミナーでは、佐藤裕弥・早稲田大学商学学術院非常勤講師(浜銀総合研究所シニア・フェロー)が「持続可能な水道事業の将来を切り拓く経営分析」と題し、アセットマネジメントを適正に運用するための決算書の読み方について講義を行い、研修生は、実際の決算書の数値を見ながら経営指標を算出するなどした。

11月13日にフォーラム開催/参加申込は30日まで/東北みずの会

東北みずの会は、11月13日13時20分から仙台市の東北学院大学土樋キャンパス8号館押川記念ホールで開催する「第1回東北水道フォーラム」の参加申込を30日まで受け付けている。
 フォーラムは3部構成となっており、第1部は熊谷和哉・富山県生活環境文化部次長が「日本の人口構成と人口減少、その水道事業への影響」と題した基調講演を行う。第2部では熊谷次長、菊池明敏・岩手中部水道企業団局長、杉山達範・横手市上下水道部水道課主査、岡地雄一・第一環境代表取締役社長、石橋良信・東北学院大学教授がパネリスト、岡崎弘・村田町総務課危機管理監がコーディネーターとなり、パネルディスカッションを実施する。第3部は仙台市のホテルメトロポリタン仙台で懇親会を行う。
 第1、2部の参加費は1団体あたり6000円、第3部は1人あたり5000円。参加申込・問い合わせは東北みずの会事務局の森田氏(メールt.mizunokai.sanka@gmail.com)まで。

第49回水道展が盛況/113社・団体の最新技術が/さいたま市で開催/水団連

第49回水道展が盛況/113社・団体の最新技術が/さいたま市で開催/水団連
日本水道工業団体連合会が主催した「第49回水道展」(21日~22日、さいたま市さいたまスーパーアリーナ)が盛況のうちに幕を閉じた。今年の水道展には113社・団体が出展し、最新の技術・製品・システムが展示された。水道界の課題解決に不可欠となる、最新の技術動向を把握する絶好の機会とあり、水道事業体職員らが熱心に見学する様子が見られた。また、水道展は産官学の貴重な意見交換の場ともなっており、会場ではあちこちで活発な意見交換が行われていた。
 今年の水道展のテーマは「耐震化・更新を実行し、続けよう水道の信頼を!!」。各社・団体が出展したイチオシの製品はどれも注目を集め、テーマに沿って施設の耐震化・更新に関するものが多く見られた。

WBCパートナー会を設立/アプリケーション開発促進/メタウォーター

メタウォーターは20日、上下水道事業をサポートするクラウド型プラットホームを活用したICTサービス「ウォータービジネスクラウド(WBC)」のさらなる進化と導入促進を目指し、「WBCパートナー会」を設立したと発表した。同会に参加するのは、同社の子会社や特約店のほか、WBCの事業パートナーであるNTTデータ(WBCの広域監視コンテンツのIoT基盤を開発)や富士通(WBCのデータ活用基盤などを構築)、国際航業(WBCのGISのシステム開発)、WBCの使用企業を見込んでいる。8日に第1回目の会合を開き、WBCの概要・コンセプトや有効性、今後の方向性について説明したほか、同会の会員を募った。

ベトナムで水供給設備を連続受注/省エネ・維持管理性に高い評価/神鋼環境ソリューション現地法人

神鋼環境ソリューションの100%子会社であるKOBELCO ECO―SOLUTIONS VIETNAMCO.,LTD.(本社:ホーチミン市、以下KESV)は、Thang Long Waterand Beverages Trading Investment JSC(以下Thalbeco社)及びHoang Mai WaterSupply CO.,Ltd(以下、Hoang Mai社)より、日本の省エネ技術を適用した水供給設備を2件連続で受注した。
 Thalbeco社に納入する設備は、原水を凝集沈殿した後、自動サイフォンフィルター(ASF)でろ過するものでで、処理能力は日量1500立方m。工期は3カ月で今年11月から運転開始を予定している。Hung Yen省Thang Long地区約2000戸の住宅へ水道水を供給する。

「ハンズフリー点検支援システム」開発/浄水場の運転管理を支援/日立製作所

日立製作所は「ハンズフリー点検支援システム」を含めた、浄水場の運転管理支援ツールの開発を進めている。このツールは浄水場の維持管理データを収集・蓄積し、クラウド型サービスの活用により、適切な運用・予防保全の策定を支援するもの。設備・資産管理システムに蓄積されたデータを基に、アセットマネジメントのミクロマネジメントの演算を実行し、設備の計画的な更新を支援する。21日~22日に開催されたさいたま水道展に出展し注目を集めた。

さいたま市で技術説明会/耐震、長期耐久性をPR/ダク協関東支部

日本ダクタイル鉄管協会関東支部(長岡敏和・支部長)は1日、さいたま市の埼玉県民健康センターで技術説明会を開いた。平山修久・国立環境研究所主任研究員が「大規模災害と水道事業体の危機管理のあり方」、吉岡律司・岩手県矢巾町上下水道課係長が「社会的ジレンマを乗り越えた住民参加型水道事業ビジョン策定とフューチャーデザイン」をテーマに特別講演した。また、同協会の佐藤康彦・技術委員が、「水道管路に必要とされるものは」と題し、ダクタイル鉄管の耐震性および長期耐久性について、試験データや過去の大地震における実績などを交えて説明した。

マニラ支店を開設/アジアのマーケティング機能強化/JFEエンジ

JFEエンジニアリング(本社・東京、狩野久宣社長)は1日付でフィリピン国にマニラ支店を開設し、15日に開設式典を開いた。同社グループで19カ所目の海外拠点となる。開設を機に、これまで日本で行っていた同国での営業機能を現地化し、他のアジア拠点との連携によるアジア諸国のマーケティング活動を強化する。支店長には、大阪支店アクア営業部長を務めていた廣部智己氏が1日付で着任した。

『水道事業経営の基本』が発刊/水道の様々な課題に応える本/石井東洋大教授、一柳氏ら共著

『水道事業経営の基本』(著者=▽石井晴夫・東洋大学経営学部教授▽宮崎正信・厚生労働省水道課長▽一柳善郎・一般社団法人名古屋環未来研究所特別研究員▽山村尊房・一般社団法人名古屋環未来研究所理事・元厚生労働省水道課長、白桃書房)が11月に発刊される。
 同書はこれからの時代の水道事業経営に必要な視点と基本的な情報を網羅し、読者のさまざまなニーズに応えることを目的として作られた。

11月に上水道技術講習会/水コン協

全国上下水道コンサルタント協会は11月19日に、東京都渋谷区のけんぽプラザで平成27年度第3回技術講習会を開く。上水道技術者を対象に、革新的な水道事業体の取り組みや、先進的な工法、新製品の情報に関する講演を通じて技術力の向上を図る。
 今回は、前・太田市上下水道局長の大隅良也氏が、「水道における官民連携と広域化(仮題)」をテーマに、浄水場の運転管理の第三者委託や、水道事業の包括業務委託、群馬県東部8団体による水道事業統合協議会の設立など全国に先駆けた取り組みについて講演する。

BOXカルバートの設計Ver.10を発売/フォーラムエイト

土木・建築設計を支援するソフトを提供するフォーラムエイトは、「BOXカルバートの設計(下水道耐震)Ver.10」をリリースした。同ソフトは、下水道施設や土地改良施設、水道施設などに用いられる鉄筋コンクリート式1連、2連、3連ボックスカルバートの耐震設計計算を支援するプログラム。
 主な改訂内容は、日本下水道協会が発行した「下水道施設耐震計算例―管路施設編―2015年版」、「同処理場・ポンプ場編」に対応した点と、1連、2連、3連ボックスカルバート本体の配筋図および構造一般図の作成に対応した点だ。
 価格は、30万6000円(税別)で、Ver.9からのアップグレードは来年3月末までは15万3000円(税別)。

【特集】シリーズ企画「課題を追う」

上下水道事業をはじめとした地方公営企業は“健全な経営”が求められ、それに向けて関係者は日夜、努力と工夫を重ねている。総務省は昨年度、「優良地方公営企業総務大臣表彰」なる制度を設け、模範となる団体を表彰することで、地方公営企業全体に経営の健全性を高める取り組みを促そうとしている。今年度は水道、工業用水道、電気、ガスの事業から8団体が受賞した。今回の「課題を追う」では、今年度受賞団体のうち、4団体の取り組み・関係者の声を取材した。

【特集】広島県環境保健協会の概要と今後の方向性

一般財団法人広島県環境保健協会(環保協)は、「県民の健康づくりと住みよい環境づくり」を使命とし、県内水道事業体の水質検査を受託している。本紙では今岡務・広島工業大学環境学部教授を座長に、6月就任の佐藤均・一般財団法人広島県環境保健協会理事長をはじめ、同協会幹部職員3人にご登場いただき、同協会の概要や課題、水質検査全般の方向性などを語り合っていただいた。