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2016年(平成28年)05月16日(第5076号)

本号の特集

避難所トイレの使用可否を調査/下水道の現地支援として初/熊本地震/国交省

熊本地震から1カ月―。国や地方公共団体、民間企業による精力的な支援が続いている。下水道においては、熊本県庁に設置されている下水道現地支援本部(メンバー:国土交通省、日本下水道協会、日本下水道事業団、日本下水道新技術機構、福岡県、福岡市、北九州市)が、震災被災地の現地支援として初めてとなる対応を行った。被災者より「避難所のトイレを使えるようにしてほしい」という声が大きかったことを受け、避難所施設のトイレ使用の可否を調査した。

「下水道界の結束の強さに感謝」/塩路勝久・国交省下水道部長の話

熊本地震では、下水道施設の調査に全国から下水道職員やJSなどの関係団体職員、民間企業の方々が参集した。下水道界の結束の強さを示すことができたのではないかと思う。皆さんに大変感謝している。

熱中症対策呼びかける/ポスター協賛募集/「健康のため水を飲もう」推進運動

熱中症予防にはこまめな水分補給が効果的だと訴えている「健康のため水を飲もう」推進運動が注目を集めている。同運動は毎年、水分摂取不足による健康障害を防ぐため“こまめな水分補給”を訴えるポスターを作成。日本水道協会や日本水道工業団体連合会などの水道関連団体をはじめ、日本高等学校野球連盟、日本水泳連盟などのスポーツ団体などの協力で、公共機関やスポーツイベントで広くPRを行っており、今年で10年目。水道事業体では、ポスターで住民に熱中症予防を喚起することで、水道水のPRにも役立てている事業体が増えており、昨年の配布枚数は過去最多となる2万6188枚となった。
 同運動は「健康のため水を飲もう」推進委員会(委員長=武藤芳照・日本体育大学日体大総合研究所所長)が運営しており、このほど今年度のポスターが完成した。様々なシーンで水を飲むビジュアルのほか、高齢者向けの川柳の標語など計3種類。現在、ポスターの協賛を受け付けており、事務局の水道産業新聞社ホームページの入力フォームより申し込み可能。

◇ポスターの協賛について
 ▽協賛金=1口5万円(税別)▽枚数=(1口につき)最大500枚まで▽サイズ=A2判▽種類=3種類▽刷込み=事業体名や会社名、団体名等を無償で刷込み可
▽納品=申し込みから10日程度―。申し込み・問い合わせは、事務局・水道産業新聞社ホームページ又は企画出版部・藤田(電話03―6435―7644)まで。

省エネ強化を要望へ/理事会開き11議案を了承/工水協

日本工業用水協会は、平成29年度の工業用水道事業施策に関する要望書をまとめた。補助の嵩上げなどに加え、新たに省エネルギーの取り組みへの支援を盛り込んだのが特徴だ。11日都内で開いた理事会で決めたもので、7月ごろに国と自民党に対して要望活動を実施することにした。
 なお、この日の理事会では、要望関係をはじめ計11本の議案を審議し、すべて事務局提案の通りに了承、決定した。

B―DASHの公募開始/管きょ腐食点検などテーマ/国交省

国土交通省下水道部は、平成28年度から実施する下水道革新的技術実証事業(B―DASHプロジェクト)の公募を開始した。今回のテーマは、「下水管きょの腐食点検・調査技術」と「中小規模処理場を対象とした下水汚泥の高濃度メタン発酵技術」。1技術あたりの上限額は2000万円で、事業実施期間は契約締結の翌日から29年3月31日までを予定している。
 応募書類の提出期限は6月13日12時必着。今月20日には、説明会を日本下水道新技術機構で実施する予定となっている。

ジャパンパビリオンオール日本でPRを/ブリスベン世界会議

ジャパンパビリオンオール日本でPRを/ブリスベン世界会議
今年10月にオーストラリア・ブリスベンで開催される国際水協会(IWA)世界会議・展示会に出展する“ジャパンパビリオン”の関係者が4月25日、日本水道協会で打ち合わせを行った。今回の出展は、2018年に東京での世界会議開催を控えていることもあって、108平方mの広さで過去最大規模となる。特設ブースを設置したり、パネル展示、プレゼンスペースでの発表・プロモーションビデオを上映したりして東京会議に向けたPR活動を実施する計画だ。

経営委で27年度事業など報告/下水協

日本下水道協会は11日、第65回経営委員会(委員長=大熊洋二・横浜市環境創造局長)を開いた。平成27年度の事業報告として、▽接続促進対策▽下水道使用料▽排水設備等▽企業会計導入▽データベース構築▽下水道事業の連携等―に関する調査研究の報告や、28年度の事業スケジュールを説明した。

熊本地震関連ニュース/熊本地震現地詳細調査を実施/宮島昌克金沢大学教授に聞く

熊本地震関連ニュース/熊本地震現地詳細調査を実施/宮島昌克金沢大学教授に聞く
金沢大学の宮島昌克・教授は本紙既報の通り、4月29日から5月2日までの4日間、熊本地震被災地の現地詳細調査を実施した。ここでは、宮島教授に今回の調査の印象と得られた教訓についてお話をうかがった。

「取扱いは容易で短時間」と評価/耐震管NECSを試験施工/和歌山県海南市

海南市は、耐震管のラインアップに追加されたNECS(NS形E種管)の試験施工を行った。NECSは、クボタが水道事業体の多様な要望に応えて販売を開始し、GX形S種管と比べると約20%の軽量化を実現、低コストや取扱いの容易さなどを特長とする。現在、φ75、φ100がラインアップされており、今後の普及拡大に注目が集まっている。本紙では海南市におけるNECSの採用背景や整備状況、評価などを取材した。

連携した地震対策が重要/企業団関西地区協総会

全国水道企業団協議会関西地区協議会の第21回総会が4月15日、西播磨水道企業団・播磨高原広域事務組合上下水道事業所の担当により、兵庫県相生市内で開催された。
 冒頭、山中敦・同地区協議会会長(阪神水道企業団企業長)が「熊本地震などを教訓に、南海トラフ地震への備えを連携して進めることが重要」とあいさつ。開催地代表の篠崎保伸・西播磨水道企業団企業長は「会員相互で情報共有を」と期待を寄せた。

関係企業の支援活動

杖立簡水に移動式浄水装置/飲料水、生活用水確保に貢献/日本原料
 日本原料(川崎市、齋藤安弘社長)は、平成28年熊本地震で原水に濁りが発生して断水した熊本県小国町の杖立簡易水道の給水再開を支援すべく、齋藤社長をリーダーとする緊急給水支援チームを現地に派遣して移動式浄水装置「モバイルシフォンタンク」を設置した。

「地下水膜ろ過システム」で水質保持/メンテナンスに技術者派遣/ウェルシィ
 ウェルシィ(本社・東京、宮田栄二社長)は、熊本地震が発生した翌日の4月15日から素早い対応を取った。
 19日からは、本社、中部支社、関西支社から技術者を派遣。九州支社の職員とともに、熊本市内の病院など6カ所に納入している「地下水膜ろ過システム」のプラントを毎日巡回し、メンテナンスに努めた。
 同システムでろ過処理した水は、常時濁度1度以下で、飲料水としても適した水質を保持していた。

健全経営へ財政支援拡充を/義援金に関する規約整備へ/企業団中四地区協総会

全国水道企業団協議会中国四国地区協議会の第23回総会が12日、岡山県西南水道企業団の担当で、同県笠岡市の笠岡グランドホテルで開催された。今回は会員提出問題1題の審議などとともに、企業団協九州地区協議会を通じた熊本地震の義援金50万円の贈呈が報告され、今後は義援金の取り扱いを規約に盛り込むこととした。次期総会開催担当は備南水道企業団。
 会員提出問題は「水道事業に対する財政支援の拡充及び補助要件の緩和について」で、提出会員(岡山県南部水道企業団)が健全経営の確保、事業の円滑な推進に不可欠とする提案理由説明、各会員の回答を踏まえ、全国水道企業団協議会第60回総会に上程することとした。

"持続・進化へ情報共有を"/雨天時浸入水で意見交換/神奈川県下水道協会総会

神奈川県下水道協会は4月15日、第5回総会を相模原市のユニコムプラザさがみはらで開いた。
 冒頭、会長都市を代表して金子正典・川崎市上下水道事業管理者が「下水道事業の持続・進化へ、会員相互の情報共有を図っていきたい」とあいさつした。
 会員提出議題は「分流汚水管への雨天時浸入水に対する取組について」で、各会員が雨天時浸入水の状況と対策について報告した。

Ⅱ期トンネルなど継続/送水ルート強化へ整備/広島県企業局28年度予算

広島県企業局の平成28年度当初予算のうち、水道用水供給事業会計は総額158億6500万円(対前年度比5・5%減)、建設工事費34億5100万円(同25・4%減)を計上。水道施設更新事業の減で、建設工事費が落ち込んだが、引き続きⅡ期トンネル(海田・呉トンネル)整備事業、水道事業における公共施設等運営権活用検討事業などに主に取り組む。
 【Ⅱ期トンネル(海田・呉トンネル)整備事業】送水トンネル崩落事故(平成18年8月発生)を踏まえ、『広島県営水道の送水のあり方基本計画』に基づき、県営水道の送水ルート強化整備事業を継続実施。
 一方、工業用水道事業会計は総額61億2700万円(同12・5%減)、建設工事費28億円(同24・2%減)を計上。管路更新事業の減などで、建設工事費が落ち込んだ。

熊本地震被災地へ支援を/50周年記念式典は6月3日に/水団連理事会開く

熊本地震被災地へ支援を/50周年記念式典は6月3日に/水団連理事会開く
日本水道工業団体連合会(会長=木股昌俊・クボタ社長)は12日、第154回理事会を東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で開いた。冒頭、木股会長は「熊本地震はいまだ余震が続いているが、被災者の救済、インフラの復旧は急がなければいけない。自治体や企業、ボランティアの皆さんが精力的に支援を行っているが、会員の皆様も引き続きお願いしたい」と、水関係産業界の底力を見せるように要請した。
 第50回通常総会は6月3日14時30分から、東京の帝国ホテル孔雀西の間で開催される。総会終了後の16時からは水団連創立50周年記念式典が行われる。

公営事業者向け設備を初納入/カンボジアのセン・モノロム市で/神鋼環境ソリューション

神鋼環境ソリューションは4月25日、カンボジア王国モンドルキリ州セン・モノロム市に浄水設備を竣工し、納入した。同社におけるカンボジア向けの水処理の設備は2件目の納入であり、公営水道事業者向け浄水設備を納入する初めての案件となる。

SUS製配水池を新設/保温型として国内最大/LCCやメンテ経済性考慮して/紋別市水道部

紋別市水道部はこのほど、花園浄水場、花園配水池の下流側に第2花園配水池(有効容量1000立方m、ステンレス製)を建設した。タンク本体と、外側のアルミ製保温カバーの間に断熱材を挟み込んだ『保温型タンク』として国内最大。
 第2配水池の素材をSUS製とした理由は3点あるという。「1点目は撤去費用を含めたライフサイクルコストでSUS製が有利でした。2点目はメンテの経済性と容易さです。RC製と比較し、SUS製では防水塗装が不要であること、また、清掃作業の開始から再供用までの時間が短く済むなどの理由です。3点目は工期。寒冷地ではコンクリートを打設する際の温度管理の手間が煩雑となります」と評価している。

中国沿岸部に新合弁会社/内陸部の水事業からは撤退/積水化学

積水化学工業は4月15日、中国水インフラ事業の構造改革を行い、中国内陸部の水インフラ事業から撤退し、沿岸部では新たに合弁会社を設立することで収益改善を目指すと発表した。

新理事長に白井大造氏/赤川日水協顧問が講演/関西WC総会

関西ウォータークラブの平成28年度総会が4月28日、大阪市中央区のヴィアーレ大阪で開催された。
 今年度事業計画および予算案を審議したほか、役員改選では理事の互選により、新理事長に白井大造・元大阪市水道局長が選任された。
 総会後は赤川正和・日本水道協会顧問が『水道に携わって半世紀余~水道人生を走馬燈のように振り返って~』をテーマに講演。

6会場で水質分析セミナー/LC/MSの基礎など紹介/日本ウォーターズ

日本ウォーターズは6・7月に全国6会場で水質分析セミナーを開く。セミナーは2部構成で、1部の水道水質分析入門講座では、シングルMSとMS/MSの違いなどLC/MSの基礎を紹介する「LC/MS入門」、固相抽出の基礎から応用までを実例を交えて説明する「水道水質分析のための固相抽出入門講座」を行う。2部は水道水質分析トピックスをテーマに、「水道水中アルデヒド類のHPLCおよびLC/MS分析」や「ウォーターズ水質分析ソリューション」を紹介する。
 参加費は無料。申込はウェブサイトなどから。

旭日双光章に花松氏、肥後氏/全管連

平成28年春の叙勲、褒章受章者が発表され、全国管工事業協同組合連合会関係では、花松眞一・副会長(フォルテック取締役会長)と肥後勝司・元理事(中央工業会長)が旭日双光章を受章した。

6月20日に事務局移転/管路協関東支部

日本下水道管路管理業協会関東支部は事務局を移転し、6月20日から新事務所で業務を開始する。移転先は次の通り。
 〒108―0073東京都港区三田3―14―10三田3丁目MTビル6階カンツール内、電話03―3865―3464、FAX03―3452―2311

坂谷元広島市管理者に瑞双

坂谷隆生・元広島市水道事業管理者が、高齢者叙勲の瑞宝双光章を受章した。

【特集】地方下水道協会総会

全国に7つある地方下水道協会の総会が、5月23日の関東地方下水道協会総会(さいたま市)を皮切りに、東北地方下水道協会総会(24日、仙台市)、中部地方下水道協会総会(25日、下呂市)、北海道地方下水道協会総会(26~27日、富良野市)、九州地方下水道協会総会(26~27日、那覇市)、関西地方下水道協会役員会(27日、大阪市)、中国四国地方下水道協会総会(27日、高松市)と順次開催される。下水道事業は多くの課題を抱えているが、昨年下水道法が改正されたことを踏まえ、官民連携による浸水対策や再生可能エネルギーの活用、計画的な施設の維持管理などの取り組みが今後進められることになり、各地方下水道協会総会では、課題解決に向けた活発な議論・意見交換が期待されている。本紙恒例の「地方下水道協会総括特集」では、今年も総会開催担当下水道事業体にそれぞれの下水道事業の概要などについて紹介していただいた。

【特集】下水汚泥の有効利用の現況と展望

関連技術の進展に伴い、下水道システムの多様な社会貢献への期待は高まっている。とりわけ、平成26年に閣議決定された第4次エネルギー基本計画では、下水汚泥の利用や排熱回収、下水熱などの導入拡大、バイオマスの再生可能エネルギーを活用して水素を製造することなどの推進の必要性が強調されている。さらに、昨年9月に閣議決定された第4次社会資本整備重点計画では、『下水汚泥エネルギー化率』(=下水汚泥中の有機物のうち、ガス発電などエネルギー用途に有効利用された割合)を平成32年度に約30%とすることを指標に設定されており、下水汚泥のエネルギー活用は、今後の下水道事業における重要な要素となるのは必須だ。この認識に立ち、本紙では、地方公共団体のバイオガスをはじめとする下水汚泥のエネルギー活用の実態調査を念頭に置いたアンケートを実施した。