上下水道の強靱・持続へ/水道行政移管 新体制がスタート/国交省

上下水道の強靱・持続へ/水道行政移管 新体制がスタート/国交省

 水道整備・管理行政が厚生労働省から国土交通省、環境省に移管され、1日、新体制がスタートした。国交省では局長級の上下水道審議官のもと「上下水道審議官グループ」として3課1官体制、上下水道一体の組織体制を整備した。環境省では水・大気環境局環境管理課に水道水質・衛生管理室が設置され、水道水質基準の策定などを担う。強靭で持続可能な上下水道の実現へ、新たな1ページが幕を上げた。

水源から蛇口まで一括管理/水道水質・衛生管理室が設置/環境省

水源から蛇口まで一括管理/水道水質・衛生管理室が設置/環境省

 環境省水・大気環境局環境管理課に水道水質・衛生管理室が設置された。水道水質基準の策定をはじめ水質管理、衛生管理に関する業務を担う。室長は厚労省水道課時代の水道水質管理官、柳田貴広氏が引き続き務める。

漏水音のAI診断システム開発/集音と判断の業務を分離/wavelogy

漏水音のAI診断システム開発/集音と判断の業務を分離/wavelogy

 音解析技術を用いたソリューション開発などを行うwavelogy(道上竣介社長)は、漏水音のAI診断検査システム「SuiDo―AI」を開発し、長崎市上下水道局と連携して実証実験を行っている。現場で集音した音をオンライン上で共有し、場所に関係なく漏水の判定を行うことができるシステムで、AIにより漏水の判断を支援する機能も有している。漏水判断技術を形式化し、業務の効率化を図ることで、有収率の向上と今後懸念される漏水調査の技術者不足の解消を目指す。

管路の維持・更新の研究スタート/小規模簡易DBは継続/ダク協

管路の維持・更新の研究スタート/小規模簡易DBは継続/ダク協

 日本ダクタイル鉄管協会は3月18日、管路更新を促進する工事イノベーション研究会(座長=滝沢智・東京大学大学院教授)を日本水道会館で開き、4月から効率的な管路の維持・更新に関する新研究会をスタートさせることを決めた。

 検討項目は、管路更新に関しては更新計画の策定(維持管理情報の活用、アセットマネジメント)、工事業務の効率化(設計・積算、DX含む施工管理、付帯作業)で、管路の維持管理については漏水防止及び予防保全に関する手法、漏水事故への対応、緊急時対応の体制整備、維持・修繕業務の継続、管路の水質管理については残塩・濁水対策となっている。1年に2回の研究会とワーキンググループを開く予定。座長は引き続き滝沢教授が務める。

水道事業統合へ準備協議会/企業団設立、2026年事業開始へ/鶴岡市・酒田市・庄内町

水道事業統合へ準備協議会/企業団設立、2026年事業開始へ/鶴岡市・酒田市・庄内町

 山形県の鶴岡市、酒田市、庄内町の2市1町は、水道事業統合へ向けた取り組みを進めている。庄内地域における広域水道企業団の設立を目指し、第2回庄内広域水道事業統合準備協議会(会長=皆川治・鶴岡市長)を3月26日、鶴岡市役所で開催した。企業団による事業開始を2026年4月などとする「庄内地域水道事業統合基本計画骨子(案)」をはじめ、2024年度事業計画(案)などについて協議し、いずれも承認した。広域化による施設の最適化と経営の効率化を進め、経営基盤の強化を目指す。

ベトナム3機関と第5次覚書/人材育成、水ビジネス支援へ/横浜市水道局

 横浜市水道局は3月26日、ベトナムのフエ省水道公社、ホーチミン市水道総公社、水・環境分野研修センター(フエ市)と「第5次覚書」を締結した。水道事業に関する知識と経験の共有による日本・ベトナム双方の参加機関の人材育成と、横浜水ビジネス協議会会員企業のベトナムでの水ビジネス支援を目的としたもので、期間は2024年4月から27年3月までの3年間。

官民連携スキームで小水力発電/脱炭素実現へ再エネ導入/福岡市水道局

官民連携スキームで小水力発電/脱炭素実現へ再エネ導入/福岡市水道局

 福岡市水道局が新たな官民連携スキームにより導入を進めていた別所接合井のマイクロ水力発電設備が完成し、3月28日に発電を開始した。同局では、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に向け、昨年5月にDK―Powerとマイクロ水力発電事業に関する協定」を締結。南畑ダムから夫婦石浄水場へ導水する途中に位置し、管路の水圧を調整するための別所接合井にマイクロ水力発電設備を設置した。

下水再生リン回収施設/TJASとB―DASH/肥料製造、農業への普及促進へ/横浜市

下水再生リン回収施設/TJASとB―DASH/肥料製造、農業への普及促進へ/横浜市

 横浜市が月島JFEアクアソリューション(TJAS)と国土交通省のB―DASHプロジェクト(下水道革新的技術実証事業)で「MAPにより脱水ろ液から効率的にリンを回収する技術に関する実証事業」を進めている。このほど、北部汚泥資源化センター内に従来の技術と比べて、省エネ性に優れた下水再生リン回収施設の実証プラントが完成し、運転を開始した。今後は、回収した下水再生リンを原料とした肥料を製造し、農業などへの普及を推進する。

立川市の単独処理区編入が完了/スケールメリット活かして費用縮減/東京都下水道局

 立川市単独処理区の東京都流域下水道への編入事業が2023年度で完了した。立川市が運営する錦町下水処理場で処理していた下水を流域下水道の北多摩二号水再生センターに送水(約5万7000立方m/日)し、処理を行うもの。事業効果として、都の流域下水道のスケールメリットを活かすことで、市単独では困難であった耐震化や高度処理への対応が可能となり、事業の効率化や施設の更新費・維持管理費の縮減が図られること、震災時におけるバックアップ機能が確保されることが期待される。

県初のコンポスト施設が完成/高島浄化セDBOで年500t肥料/滋賀県下水道課

 滋賀県琵琶湖環境部下水道課の高島浄化センターで、脱水汚泥を好気性発酵して肥料を製造する「コンポスト化施設」が完成した。今年2月から日量約1・5t(年間約500t)の肥料を製造し、県内浄化センターで初の導入。同課初のDBO(設計・建設・維持管理)方式で実施し、事業期間は2022年3月~2043年3月となっている。設計・建設は共和化工、維持管理・運営は同社および滋賀県下水道保全事業協同組合が出資した特別目的会社のS&Kたかしまが担当し、総事業費約32億円(設計・建設費約19億円、約20年間の維持管理・運営費は約13億円)となっている。