雨天時浸入水対策の推進を/「ガイドライン」Q&Aを公表/国交省

 分流式下水道を採用している都市において、施設の老朽化の進行や地震等の被災、高強度降雨の増加等に伴い、降雨時に下水の流量が増加し、汚水管等からの溢水や宅内への逆流等が発生している。こうした状況に対応するため国土交通省下水道部では、2020年1月に「雨天時浸入水対策ガイドライン(案)」を策定。また、今年4月にはガイドラインの参考資料として、雨天時浸入水対策に係るQ&Aをとりまとめ公表している。地方公共団体での雨天時浸入水対策計画の策定、効果的・効率的な対策の実施が期待される。

維持管理制度と資格要件見直しへ/有識者検討会を設置/厚労省

 厚生労働省は、「水道の諸問題に係る有識者検討会」を設置し、30日に初会合を開く。水道の基盤強化を図る観点から、水管橋崩落を受けた今後の施設の維持管理制度と、水道法で規定される「布設工事監督者」「水道技術管理者」の資格要件の見直しについて検討するという。

 施設の維持管理制度については、昨年10月に発生した和歌山市での水管橋崩落事故をはじめ大規模な事故が発生している昨今の現状を踏まえたもの。先の事故では最大6万世帯が1週間にわたり断水し、社会的な関心を集めた。

佐賀市を100mm/h安心プランに登録/河川・下水道・流域関係者が一体で/国交省

 国土交通省は16日、佐賀市が申請していた「佐賀市排水対策基本計画(中期対策)」を「100mm/h安心プラン」として登録した。

 同市の市街地では、2019年8月の豪雨で600戸以上の床上浸水被害が生じるなど、従来の計画を上回る規模の降雨が発生した。河川、下水道などのハード対策と既存施設を活用した貯留等のソフト対策を一体的に進め、同規模の豪雨に対し、床上浸水被害の軽減を図る。19日に佐賀市役所で登録証の伝達式が行われ、野村真一・九州地方整備局地域河川調整官から坂井英隆・市長へ登録証が渡された。

破損要因は吊り材腐食と結論/アーチ部の強度不足も/和歌山市の水管橋破損事故/調査委員会

破損要因は吊り材腐食と結論/アーチ部の強度不足も/和歌山市の水管橋破損事故/調査委員会

 和歌山市の六十谷水管橋破損に係る調査委員会(座長=鍬田泰子・神戸大学大学院准教授)は20日、第3回会合を和歌山市内で開催した。昨年10月に発生した水管橋の送水管(φ900鋼管、延長546m)2本が一部破損した最大要因について、「腐食による吊り材などの破断」と説明。アーチ部の溶接箇所の強度不足なども確認された。送水管は管外面溶接部の管内面で局部的に腐食が見られたが、全体的には健全な状態だった。同市企業局は最終の次回委員会で、報告書案を示すとしている。前日の19日には水管橋の送水管1本の復旧工事が完了し、送水が再開された。

「省エネ型深槽曝気技術」実用化へ/B―DASH採択 JS・埼玉県と/前澤工業

 前澤工業は11日、国土交通省が今年度実施する下水道革新的技術実証事業(B―DASHプロジェクト)において、日本下水道事業団、埼玉県と共同で提案した「省エネ型深槽曝気技術に関する実証事業」が採択されたことを発表した。埼玉県荒川右岸流域下水道新河岸川水循環センターを実証フィールドとして、深槽反応タンクにおいて、散気装置の設置位置を従来の槽中間部から底部へと変更することで酸素移動効率を向上させる省エネ型深槽曝気技術について、消費電力量と温室効果ガス排出量の削減やLCCの縮減効果、性能などを実証することにより実用化を図る。

夷隅地域の水道事業統合へ/基本計画の策定業務を公募/夷隅地域水道事業統合協議会

 千葉県夷隅地域(いすみ市、勝浦市、大多喜町、御宿町)の水道事業統合・広域化の協議機関である夷隅地域水道事業統合協議会は23日、「水道事業統合・広域化基本計画策定業務」の募集を開始した。

 同業務は、「夷隅地域水道事業統合・広域化基本計画書」を策定するための基礎調査や分析、基本方針(案)の策定のほか、同協議会の幹事会、専門委員会などの運営支援を行うもの。委託期間は契約日から2023年2月28日までとなる。委託費の上限は1370万円(税抜)。