脱炭素へ下水道の貢献を議論/小委員会設置し初会合/下水道政策研/国交省・下水協

脱炭素へ下水道の貢献を議論/小委員会設置し初会合/下水道政策研/国交省・下水協

 国土交通省下水道部は、2050年カーボンニュートラルに向けて、目指すべき下水道のあり方や実現するために必要な方策、ロードマップなどを議論するため、日本下水道協会と共同で下水道政策研究委員会「脱炭素社会への貢献のあり方検討小委員会」を設置した。1日に第1回会合を開催し、検討スケジュールと議論の進め方、脱炭素社会実現へ貢献するため下水道が目指すべき方向性、2030年温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取り組みについて議論した。今後は小委員会で議論を重ね、来年2月に開催する第5回で報告書を取りまとめる予定としている。委員長は花木啓祐・東洋大学情報連携学部教授が務める。

和歌山市でφ900水管橋崩落/6万世帯断水に備え応急給水

 和歌山市内を東西に流れる紀の川に架かる六十谷水管橋で、3日にφ900送水管(鋼管)2本が一部崩落した。送水管は紀の川南部の加納浄水場と、紀の川北部の配水池を結ぶ唯一の管路で、配水池が空になると、和歌山市の給水世帯の約32%にあたる最大約6万世帯(約13万8000人)で断水する可能性がある。崩落原因などは調査中で、復旧の見通しは立っていない。

 六十谷水管橋は昭和50年3月に完成し、延長546m。3日15時45分ごろに加納浄水場で異常水量を感知し、市企業局職員が16時10分ごろに送水管2本の中央部が約60mにわたり、紀の川に垂れ下がって漏水しているのを確認した。送水管は毎月1回目視で点検しており、先月は異常が見られなかったとしている。

自動検針へスマートメーター設置/データ活用で効率化、サービス向上へ/湖西市水道課

自動検針へスマートメーター設置/データ活用で効率化、サービス向上へ/湖西市水道課

 静岡県の湖西市水道課は、県内初の水道スマートメーターを活用した産官学共同研究の開始に向け、パイロットエリアの知波田・入出地区で9月から水道スマートメーターへの交換作業を進めている。9月24日には、現地見学会を開き、影山剛士・湖西市長、山家裕史・副市長、川上恵資・環境部長らがメーター交換作業を視察した。

 共同研究では、市内で特に急激な人口減少が想定される知波田・入出地区の全戸(約1890戸)に水道スマートメーター、要所の配水管に流量計13個を設置し、収集したビッグデータを活用して管網解析、アセットマネジメントの検討、管内の残留塩素濃度の動向把握などを行う。具体的には、スマートメーターから計測する使用水量や各種データなどのビッグデータを活用して、管網解析の精緻化を実施し、解析結果をもとに、適正口径・流速から管路のダウンサイジングにつなげ、管路更新費用の低減化につなげていく。

オンライン講習さらに充実/大口径管の技能講習を追加/10月1日から/NAWS

 名古屋上下水道総合サービス(NAWS)は今春開講したオンライン講習3講座に加え、10月1日に「大口径管の技能講習」を新たに追加した。呼び径500以上のNS、S、US形継手ダクタイル鉄管の接合と解体について、映像や図を組み合わせ、直感的に理解できるよう工夫されている。

 全113分間の同講習では、各継手の概要と継手構造、直管および異形管の接合と解体手順、また、各段階におけるポイントや注意事項が豊富に盛り込まれた。施工監理業務に役立つ知識を的確かつ効率的に学べるコンテンツとなっている。

 講師は名古屋市上下水道局OBで、NAWS人材育成・技術支援室の大野昌克氏。局では管路の設計や工事に携わり、管路部西部管路センター工事係長などを歴任した。NAWSでは名古屋市港区内の局技術教育センターで例年開催されている「大口径管の技能講習」でも講師を務めている。

水道管健全度を簡易に予測評価/自治体職員で診断が可能/Fracta

 Fractaは、自治体職員で簡易的に水道管路健全度の予測・評価ができる自己診断キット「管路環境リスクマップ」の販売を開始した。水道管の破損漏水事故の起こりやすさを推計し、破損事故リスクをヒートマップ状に可視化した水道管路のハザードマップ。販売価格は数万円から数十万円で、本格的な水道管路の調査・診断の前に、手頃な費用で簡便かつ迅速に管路環境リスクの把握、簡易評価を行うことができる。同社は、同ツールの提供により、自治体の管路更新やアセットマネジメントを支援していく考えだ。

 リスクマップは、同社が今年4月に公表した調査レポート「全国自治体における破損確率の推計」をベースとしており、対象地域の地形・気象などの地理情報、人口・地域開発などの経済・社会に関する情報、同社のアルゴリズムで学習済みの破損事故のパターンを用いて算出した破損確率に基づいている。

橋本市浄水場設備更新をDBOで/維持管理期間は15年間/月島機械などのグループ

 月島機械を代表とするグループ(明電舎、月島テクノメンテサービス)はこのほど、和歌山県橋本市と「橋本市浄水場1系水処理設備外更新・水道施設維持管理事業」に関する基本契約を締結した。

 この事業は、昭和54年に建設され設備の老朽化が著しい橋本市浄水場の浄水機能を確保するため、浄水場内にある1系水処理施設と取水場内にある取水施設の更新をDBO方式により実施するもの。また、これに併せて取水場、同浄水場、配水池及びポンプ場の水道施設について15年間の維持管理事業も行う。

 同浄水場は急速ろ過法を採用、能力は4万9000立方m/日で同市の主力施設。全部で2系のうち、今回は1系の2万4500立方m/日の水処理設備を更新する。処理方法は同様。2系は平成15年に稼働しており、現在のところ更新の予定はない。