下水道新技術の導入を加速/B―DASHプロジェクト/国交省

 国土交通省国土技術政策総合研究所は3月25日、新たに4つのB―DASH技術の導入ガイドライン(案)を策定し、ホームページで公表した。今回追加された技術は1.センシング技術とビッグデータ分析技術を用いた下水道施設の劣化診断技術 2.センサー連続監視とクラウドサーバ集約による劣化診断技術および設備点検技術 3.高濃度消化・省エネ型バイオガス精製による効率的エネルギー利活用技術 4.クラウドを活用し維持管理を起点とした継続的なストックマネジメント実現システム技術―。

日台交流の懸け橋に/胸像を再建し除幕式/上下水道の父 バルトン

日台交流の懸け橋に/胸像を再建し除幕式/上下水道の父 バルトン

 台北市と台北駐日経済文化代表処は3月30日、日本・台湾の上下水道整備に尽力した英国人技師ウィリアム・K・バルトンの胸像除幕式を開き、台北水道博物館に胸像を設置した。式典は、リモート方式により台北と東京の2会場で行われた。

 柯文哲・台北市長は「バルトンは、台湾の公衆衛生や水道建設に貢献し、その功績を称え1919年に水道博物館に銅像が置かれたが、第二次世界大戦で紛失した。市民に台北水道の歴史を知ってもうらため、胸像の再建を進めてきた。きれいな水を飲むときに、常に先人の努力に感謝する気持ちが持てるようになればと期待している」と述べたほか、胸像再建を要請した日本下水文化研究会代表の稲場紀久雄・大阪経済大学名誉教授、胸像建設のために30万円を寄付した同研究会に謝意を表した。

水解性試験の合格品公表へ/トイレに流せる製品で/下水協

 日本下水道協会は3月29日、オンラインを併用して第6回トイレに流せる製品の取扱いの手引き策定委員会(委員長=森田弘昭・日本大学生産工学部教授)を開いた。市場に広く流通している、おしりふき23製品の水解性モニタリング結果などについて審議し、水解性試験を合格した2社3製品をホームページ上で公開することを決めた。今後の取り組みについては、モニタリング調査を継続して実施し、地方公共団体などに情報提供していくとしている。

九州地方で公民連携着々と/荒尾市では水道包括委託2期が/熊本工水コンセッション始動

九州地方で公民連携着々と/荒尾市では水道包括委託2期が/熊本工水コンセッション始動

 新年度を初年度とする公民連携事業が新たに始動している。九州地方では、熊本県の工業用水道事業のコンセッションが運営開始となり、荒尾市でも水道事業の包括委託の第2ステージが始動した。それぞれ、受託企業の主催による業務開始式が開かれた。

【全国初の工業用水道でのコンセッション】

 「熊本県有明・八代工業用水道運営事業」の業務開始式が6日、熊本県玉名市内の上の原浄水場で開催された。関係者約30人が出席した式典では、同事業の特別目的会社、「ウォーターサークルくまもと」の松尾晃政・代表取締役社長が、「工業用水を安定的かつ経済的に供給し続けることで地域社会に信頼される企業を目指す」と主催者あいさつ。続いて、来賓が登壇、「工業用水道事業としては全国初のコンセッションであり、全国のモデル事業となることに期待」(國武慎一郎・熊本県企業局長)、「大きなシナジーで経営の効率化へ全力を尽くす」(酒井雅史・メタウォーター執行役員常務PPP本部長=ウォーターサークルくまもと代表企業)と期待を口にした。

下水道コンセッションで実施方針/事業の持続性向上へ/三浦市

 神奈川県三浦市は9日、「三浦市公共下水道(東部処理区)運営事業」の実施方針を公表するとともに、同事業を特定事業に選定した。下水処理場やポンプ場、管路施設などの施設運営を公共施設等運営事業(コンセッション方式)として行うもので、事業期間は令和5年4月から25年3月までの20年間。民間事業者に事業を委ねることで、下水道事業の持続性の向上や潜在的な価値の創出を目指す。今後、6月に募集要項等を公表し、9月から参加表明書の受付を行う。優先交渉権者は令和4年7月に決定し、11月に公共施設等運営権の設定と実施契約の締結を行う予定だ。

西部浄化セで消化ガス発電/消化設備改築含む民設民営で/富士市上下水道部

西部浄化セで消化ガス発電/消化設備改築含む民設民営で/富士市上下水道部

 富士市上下水道部は、民設民営方式により西部浄化センターで建設を進めてきた消化ガス発電設備が完成し、1日に発電事業を開始した。市が事業者である神鋼環境ソリューションに事業用地を貸し付けるとともに、下水汚泥から発生する消化ガスを有償で供給し、同社が発電施設の設計・建設に加え、維持管理・運営を行い、発電した電気を再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を利用して電力会社に売電するもので、同社による老朽化した消化設備の改築も含んでいることが特徴。3月29日には同社主催により発電開始式を開催、テープカットを行い完成を祝った。

 発電開始式で大濵敬織・同社取締役社長は「今回の事業を地球温暖化防止と循環型社会構築のモデルケースとして全国に普及展開できるよう努めていく」、小長井義正・富士市長は「事業を実施することで温室効果ガスの排出を削減するとともに、市民の皆さまの環境面の啓発に大いに活用できる。また、新たな収入源の確保により、今後の下水道事業の安定的な運営にも大きく寄与する」と語った。また、来賓として大塚義則・静岡県交通基盤部都市局生活排水課長、2021ミス日本「水の天使」の嶺百花さんも登壇してあいさつした。

見附市青木浄水場更新事業が完成/微粉炭+セラ膜で浄水処理/安全で良質な水道水を安定供給/メタウォーター

見附市青木浄水場更新事業が完成/微粉炭+セラ膜で浄水処理/安全で良質な水道水を安定供給/メタウォーター

 メタウォーターは1日、同社を代表企業とする企業グループが施工した新潟県見附市の青木浄水場更新事業の完成記念式典を同浄水場で開催し、出席した約40人の関係者は、セラミック膜ろ過の浄水場として生まれ変わり、見附市と長岡市中之島地域に安全で良質な水道水を安定的に供給する「新青木浄水場」の完成と稼働を祝った。

 更新事業は、新浄水場の設計・建設と運転・維持管理を一括で行うDBO方式で行われており、設計・施工期間は平成28年9月9日から今年3月31日まで、運転・維持管理期間は4月1日から令和23年3月31日までとなっている。運転・維持管理業務はメタウォーターグループが設立した特別目的会社「見附ウォーターフロンティア」が担う。