マネジメントサイクル確立へ/処理場・ポンプ場編を策定/ガイドライン/国交省

 国土交通省下水道部は「維持管理情報等を起点としたマネジメントサイクル確立に向けたガイドライン(処理場・ポンプ場編)―2021年版―」を策定した。「下水道維持管理指針―2014年版―」や「ストックマネジメント実施に関するガイドライン―2015年版―」を補完するもので、マネジメントサイクル確立に必要な情報項目や維持管理情報等のストックマネジメントへの活用手法を整理している。ガイドラインは同部ホームページで公表している。

さらなる安全・安心の実現へ/おいしい水づくりの新計画始動/千葉県企業局

 千葉県企業局は、水道水に対する信頼感と満足度の向上を目的とした「安全・おいしい水プロジェクト2021―2025」を策定・公表した。プロジェクトのキャッチコピーは「おいしさ磨く千葉の水」。昨年度まで取り組んできた「おいしい水づくり計画」に続く新計画で、前計画の理念と成果を引き継ぎつつ、新型コロナウイルス感染症など社会環境の変化を踏まえて水道水のさらなる「おいしさ」と「安全・安心」の実現に向け取り組む。計画期間は令和3年度から7年度までの5カ年。

料金請求をペーパーレス化/利用者の利便性向上へ試行/東京都水道局

 東京都水道局は3月24日、水道料金・下水道使用料請求のペーパーレス化を試行開始した。紙の請求書の郵送または現地投函により知らせていた請求情報を、利用者のスマートフォンに電子配信するサービスで、利用者の利便性向上を図る。

 同局は、令和元年7月に請求書に印刷されたバーコードを活用したスマートフォン決済を導入している。今回のサービスでは、バーコードを読み込む手間がなく、いつでも・どこでもスマートフォン決済が可能であるとともに、料金明細や支払履歴を確認できる。また、支払期日の前日にはリマインドが通知されるため、払い忘れが防止できる。

竪型凝集沈澱池で省スペース実現/浄水場が本格稼働、防災拠点にも/和歌山県広川町

竪型凝集沈澱池で省スペース実現/浄水場が本格稼働、防災拠点にも/和歌山県広川町

 和歌山県広川町が新たに整備を進めてきた広川浄水場が1日から本格稼働し、水道事務所も同浄水場の管理棟内に移転した。同町は平成26年度に簡易水道4カ所を事業統合し、現在は簡易水道で事業運営している。水道事務所があった旧広川浄水場は昭和53年度の完成で老朽化が進んでいる上、急傾斜地にあり、土砂災害の危険性などを踏まえ、4カ年で浄水場を高台に新設。省スペースで設置可能な竪型凝集沈澱池を採用し、防災拠点の役割も果たす。旧広川浄水場と旧水道事務所は廃止するが、当面はそのまま残すとしている。同町の関係者は「浄水場の関連施設で配水池や水源地なども築造しており、災害時に強い水道施設整備を図った」などと話している。

災害時の資材提供で協定/迅速な応急復旧へ4社協力/尼崎市公営企業局

災害時の資材提供で協定/迅速な応急復旧へ4社協力/尼崎市公営企業局

 尼崎市公営企業局は3月29日、「災害等における資材提供の協力に関する協定」を、4社(クボタ・栗本鐵工所・コスモ工機・大成機工)と締結した。同市の水道施設および工業用水道施設が地震や風水害、漏水事故などで被災した際、4社に対して応急復旧に必要な資材供給の協力を要請し、4社は供給可能な範囲で協力要請に応じるものとしている。

長期計画、中期経営計画を策定/持続可能な事業経営へ/さいたま市下水道部

 さいたま市建設局下水道部は、今後10年間の下水道事業の基本方針や方向性を示す長期計画として、「希望(ゆめ)つなぐ下水道(みず)プラン2030」を策定した。また、プランに掲げた各施策について、前半の5年間における具体的な取り組み内容と財政計画を定めた経営戦略として、「さいたま市下水道事業中期経営計画」を策定した。 長期計画(令和3~12年度)は、「安全で安心に暮らせる都市づくり」「環境に配慮した快適な暮らし」「健全で持続的な事業経営」を基本方針に、7つの施策について、25の事業内容を展開していく。

 施策別の事業として、浸水対策では、雨水管・雨水貯留施設などのハード整備と、大雨時においても下水道の機能を確保するため、施設の耐水化の推進、ソフト対策の更新・拡充などによる自助・共助と、部局間・公民連携による総合的な浸水対策の促進、浸水対策の下水道BCPの強化に取り組む。

 地震対策では、重要な施設の耐震化と、耐震化が困難な管路の2条化・バイパス化などの対策を進め、地震対策のBCPを強化する。

南さつま市 加世田都市下水路事業が完工/フラッドバスターを2基整備/石垣

南さつま市 加世田都市下水路事業が完工/フラッドバスターを2基整備/石垣

 石垣の全速全水位型横軸水中ポンプ「フラッドバスター」が南さつま市永田ポンプ場のポンプゲート設備として採用され、昨年度末に場内整備が完了した。これにより、先に供用開始した他の3機場とともに約9年間、着々と整備が進められた同市の浸水対策事業「加世田都市下水路事業」が完工し、3月19日には市内4機場で唯一、フラッドバスターが採用された永田ポンプ場付近で竣工記念式典が開催された。式典後はテープカットや、本坊輝男市長によるポンプの起動セレモニーが行われた。

 フラッドバスターが放流先の加世田川に向け勢いよく排水するなか、田中誠・南さつま市建設部都市整備課長は「水と空気が混じる気水混合排水運転状態でも運転音がとても静か。近隣には住宅地が広がっているが、騒音が気にならない」と印象を語った。

GX形メタルシート仕切弁の販売開始/管路耐震化と長寿命化に貢献/クボタ

 クボタは、GX形ダクタイル鉄管に対応した「GX形メタルシート仕切弁」の販売を開始した。耐震継手一体化構造によりフランジレス化を図り、管路トータルの耐震化に貢献するとともに、配管の一部を構成する弁箱外面に、亜鉛合金溶射+合成樹脂塗装であるC―Protectを施すことで、GX形の直管・異形管と同等の長寿命化を実現した。また、剛構造の弁箱と柔構造の弁体の組み合わせにより、地震動などの外力負荷時にもシート部の止水性を維持する。

 耐震継手ダクタイル鉄管に対応するバルブとしては、耐震型ソフトシール仕切弁が一般的には使用されており、管路の耐震化率向上にあわせて年々普及している。一方で、排泥用の管路に使用するバルブなど、用途によってはメタルシート仕切弁を使用したいとの要望がユーザーから出ていたことから、同社では開発を進めてきた。