上下水道にIoT・AIを活用/環境システムシンポジウム/土木学会

 土木学会環境システム委員会(委員長=吉田登・和歌山大学システム工学部教授)は9日、「第86回環境システムシンポジウム」をオンライン開催した。日本が将来目指すべき未来社会として少子高齢化や地域の過疎化などの課題を解決するとともに経済発展を図る「超スマート社会(Society5・0)」が提唱されている。上下水道などの土木インフラを高度に活用できる社会づくりにおけるIoT・AIの役割や課題をテーマに、水道・下水道の分野から学識者や企業が事例紹介などを行った。

新たな課題は給水装置の耐震化/福島県沖地震 現地調査を実施/金沢大宮島教授 耐震管の性能を再確認

新たな課題は給水装置の耐震化/福島県沖地震 現地調査を実施/金沢大宮島教授 耐震管の性能を再確認

 金沢大学の宮島昌克教授は22、23日の両日、今月13日深夜に福島県沖を震源に発生し、最大震度6強を記録した地震の現地調査を実施した。福島・宮城県内で行った今回の調査では、沿岸部の液状化などの地盤変状の状況や水道関係施設の被害状況を確認し、さらに宮城県山元町では水道関係者からのヒアリングも実施した。

 福島県新地町の沿岸部では、液状化による噴砂の跡や道路の亀裂などを確認。隆起や陥没によりアスファルトに激しく亀裂が生じている状況に「かなりの激しい揺れと地盤の不等沈下があった」ことを確認。この道路の近くでは粒径の揃った夥しい地中からの砂の堆積する噴砂の跡も見られたが、この沿岸部に立地する火力発電所等に工業用水を供給している福島県企業局の配水管(φ300NS形ダクタイル鉄管)が無傷との情報に「これだけの地盤変動にもダクタイルの耐震継手管が耐え得ることは過去の知見からも明らかであり、地道に管路の耐震化を図ることの重要性が再確認された」との感想を述べた。

DBで西谷浄水処理施設再整備/粒状活性炭導入、能力増強/要求水準書案など公表/横浜市水道局

 横浜市水道局は19日、「西谷浄水場再整備事業(浄水処理施設)に係る整備工事」の要求水準書(案)などを公表した。ろ過池の耐震化と粒状活性炭処理の導入、浄水処理能力の増強をDB方式により実施するもので、工事期間は令和4年2月から23年3月まで。落札者の決定は総合評価落札方式により行い、調達公告と入札説明書などの公表は7月、入札参加資格確認申請書類の受付は9月、入札は11月、技術資料のプレゼンテーション・ヒアリングは12月、落札者決定と工事請負契約締結は4年2月を予定している。

 今回の工事では、「1水源1浄水場」「自然流下系の優先」の方針に基づき、1.耐震性が不足しているろ過池の整備 2.水源水質の悪化にも対応できる粒状活性炭処理の導入 3.相模湖系統の水利権水量の全量処理を可能とするための処理能力の増強―を目的に実施する。

 要求水準書案では、浄水処理フローは、着水→混和→フロック形成→沈でん→粒状活性炭(上向流)→再凝集→急速ろ過→送水―で、着水井から一連の浄水処理は自然流下で行うこととしている。使用薬品は、次亜塩素酸ナトリウム、PAC、硫酸、消石灰とし、凝集剤については将来、高塩基度PACを使用することを検討している。処理能力は、現在の35万6000立方m/日から39万4000立方m/日に増強する。施設の構成は2系統とし、粒状活性炭吸着池と急速ろ過池については2系統4群とする。各施設において1群または1池を一部停止した時に最低限確保する処理水量は29万5500立方m/日。令和15年3月までに凝集沈でん・砂ろ過による浄水処理施設、23年3月までに活性炭吸着池を整備することとしている。

維持管理業務の受託実態調査/受託額微増の1662億円 従事者数が1・5万人突破/管理協

 日本下水道施設管理業協会は、令和2年度の下水道処理施設維持管理業務の受託実態調査報告書をとりまとめた。運転管理費とユーティリティを含めた受託契約額は1662億円で前年度比2・7%増となった。契約方式については一般競争入札や指名競争入札が半数を占めており、依然として価格重視の傾向が見られた。また、従事者数が初めて1万5000人を突破した。

 調査対象は、会員会社136社と国土交通省の下水道処理施設維持管理業者に登録の会員外企業11社で、調査箇所は下水処理場のみとなっている。

Wi―SUN FANに対応/新モジュールの提供を開始/ローム

 ロームは国際無線通信規格「Wi―SUN」の最新規格「Wi―SUN FAN」に対応し、1000台のメッシュネットワーク接続が可能なモジュールソリューションの提供を開始した。