統合上水道に新たな財政措置を/旧簡易水道事業等の経営に関する研究会/総務省

 総務省自治財政局は「旧簡易水道事業等の経営に関する研究会」の報告書をまとめ18日、公表した。研究会では、統合後の旧簡易水道の経営状況を整理し、持続可能な経営を確保する方策を検討した。簡易水道事業を統合した上水道事業は、資本費など経営状況を表す指標が他の上水道事業との比較で厳しく、給水人口割合が高いほどその傾向は強い。報告書では、統合後も経営が厳しく経営基盤の強化に至っていない事業も多いことや、統合上水道事業の管路更新が進行していないことなどを挙げながら、新たな財政措置を講じる必要性を指摘している。

横浜市、水道料金12%値上げ/用途別から口径別に移行/市会で料金改定案可決

 横浜市水道局は、将来にわたって水道事業を持続可能なものとするため、来年7月に平均改定率を12・0%とする水道料金改定を行う。料金算定期間は令和3年9月から6年3月。17日に開かれた市会本会議で水道条例の一部改正案が可決された。料金収入の減少が進むなか、西谷浄水場再整備関連事業や大口径管路の更新・耐震化をはじめ水道施設の更新需要が増加する見込みであることから、料金水準を引き上げて必要な財源を確保する。また、用途別から口径別に移行し基本料金での固定費の回収割合を高めるなど、事業環境の変化に即した料金体系に変更する。

 料金改定を行わない場合、現中期経営計画の最終年度である令和5年度末には累積資金残額は 72億円不足となり、次期中期経営計画最終年度の9年度末には不足額は 492億円まで拡大する見込みとなっている。今回、平均改定率12・0%の料金改定を行うことで、5年度末の累積資金残額は124億円まで改善し、9年度末についても必要な施設整備を行ったうえで1億円を確保できる見込みとしている。

災害対応力の向上へ/救援本部訓練など実施/日水協

災害対応力の向上へ/救援本部訓練など実施/日水協

 日本水道協会は15・16日、災害時対応訓練を実施した。職員の資質向上と組織の災害対応力向上を目的として、今年4月に改訂した「地震等緊急時対応の手引き」や事業継続計画を基に、事業継続訓練と救援本部訓練を行った。

 15日の事業継続訓練では、15時30分に震度6強の地震が発生して日本水道会館と大阪支所、全国5カ所の検査事業所、研修所が被災したことを想定し、各部署で職員の安否確認や建物・設備などの被害状況の調査などを実施した。また、発災当日に研修会や委員会などが開催されていることを想定して、参加者の安全確保やエレベーターへの人の閉じ込めに対する対応、帰宅困難者に対する備蓄食糧の提供なども行った。

検出マニュアル暫定版/処理区域の流行を把握/下水中の新型コロナ遺伝子/水環境学会TF/下水道機構

 日本水環境学会COVID―19タスクフォースと日本下水道新技術機構は15日、「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル(暫定版)」を公表した。下水道機構が日本水環境学会に委託した研究事業の一環で作成されたもので、国内外の研究成果等を踏まえ、現時点で有用と考えられる検査手法と手順を解説している。来年1月には、同機構主催でマニュアルに関するウェブセミナーが開催される予定。

10カ年の長期構想固まる/3月公表へ審議会が答申/事業持続へ施設再構築/さいたま市水道局

10カ年の長期構想固まる/3月公表へ審議会が答申/事業持続へ施設再構築/さいたま市水道局

 さいたま市水道局は10日、市役所で第6回さいたま市水道事業審議会(会長=石井晴夫・東洋大学名誉教授)を開いた。令和3年度から10年間を計画期間として、水道事業の施策の基本的な方向性を示す「さいたま市水道事業長期構想」の策定に向けて審議しており、第5回までに同構想の素案を固めた。今回は10月から11月にかけて実施したパブリックコメントを素案に反映した「長期構想(案)」について、委員らが確認を行う最後の審議を実施後、同構想案を答申書として、石井会長が清水勇人・市長へ手渡した。今後は令和3年2月に議会へ報告し、3月に公表を予定している。

次期経営プランの財政計画議論/第12回運営戦略検討会議開く/東京都水道局

次期経営プランの財政計画議論/第12回運営戦略検討会議開く/東京都水道局

 東京都水道局は14日、第12回東京都水道事業運営戦略検討会議(座長=滝沢智・東京大学大学院教授)を、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からオンライン会議で開催した。同局は、2040年までの概ね20年間の事業運営方針である「持続可能な東京水道の実現に向けて 東京水道長期戦略構想2020」に基づき、今年度中に10カ年の施設整備計画として施設整備マスタープランと、5カ年の事業計画・財政計画からなる経営プランを策定することとしている。今回の会議では、次期経営プラにおける財政計画と目標管理について意見交換した。

経営プランの実施状況を審議/事業経営審議会開く/京都市上下水道局

経営プランの実施状況を審議/事業経営審議会開く/京都市上下水道局

 京都市上下水道局は14日、第2回京都市上下水道事業経営審議会(会長=水谷文俊・神戸大学大学院経営学研究科教授)をウェブ会議システムで開催し、中期経営プラン(2018―2022)に基づく令和2年度計画上半期の実施状況について検討を行った。

 冒頭、吉川雅則・京都市公営企業管理者は「新型コロナウイルスで経営環境にも影響が出ている。そうした中、上下水道施設の耐震化や浸水対策などを推進する必要があり、上下水道の現況について率直な意見交換をお願いしたい」とあいさつ。

次期経営計画の方針示す/アドバイザリーボードを開催/東京都下水道局

次期経営計画の方針示す/アドバイザリーボードを開催/東京都下水道局

 東京都下水道局は16日、アドバイザリーボード(座長=滝沢智・東京大学大学院教授)を開き、令和3年度から5カ年を計画期間とする次期経営計画の策定方針などについて意見を求めた。

 次期経営計画では、老朽化施設の再構築や浸水対策などの主要施策を着実に推進していくこととしており、再構築では令和11年度までに整備年代の古い都心4処理区(第一期再構築エリア)の枝線の再構築が完了することを見据え、第二期再構築エリアの着手に向けた検討を進めていく。

中小事業体で事業が増加/今年度計画・資材需要を調査/水団連

 日本水道工業団体連合会は、簡易水道を除く全国の水道事業体に令和2年度の事業計画や水道用資材の需要動向についてアンケートを実施し、結果を取りまとめた。1420事業体のうち、79・8%にあたる1114事業体が回答し、総事業件数は2330件、総事業費は1兆2042億円の事業を計画していた。回答数が異なるため比較は参考値だが、前年度調査と比べ総事業件数は2・8%、総事業費は4・1%増えた。さきごろ開いた第42回需給調査委員会(委員長=久保俊裕・日本ダクタイル鉄管協会理事長)で報告した。

仏スエズ社と業務提携/上下水道運営事業の獲得へ/前田建設工業

 前田建設工業は7日、水メジャーの仏スエズ社と日本国内における上下水道事業のコンセッションに関する業務提携契約を締結したと発表した。契約期間は5年間で、上下水道セクターでのコンセッションをはじめとする官民連携事業を獲得・運営できるよう協力していく。