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2016年(平成28年)  4月 25日(第5072号)






上下水道 復旧へ全力/熊本市全域で通水完了/下水管渠の調査が進む/熊本地震
 熊本地震の発生から10日が過ぎた。いまだに断水が続く地域があるなど、その爪痕は色濃い。厚生労働省のまとめでは断水は熊本県内を中心に大分県、宮崎県の3県13市町村で2万戸を超える。現地では各地から駆けつけた給水車による応援給水が行われ、漏水調査など復旧に向けた支援部隊も活動している。下水道も全政令市が現地入りし、管渠調査などを精力的に実施している。上下水道の復旧へ全力が注がれている。

益城町で液状化被害か
 益城町浄化センターに流入する主要な幹線で、マンホールの浮上や周辺路面の陥没など路面変状が発生していることが、国土技術政策総合研究所下水道研究部の緊急調査で分かった。開削工法で施工したとみられる幹線では管きょ埋め戻し部が300m以上横断的に大きく陥没。マンホール周辺が陥没し、若干浮き上がりが見られた箇所も確認された。
 被災した幹線の多くは周囲を水田に囲まれ、軟弱地盤で地下水位が非常に高い場所に位置していた。これは埋戻し土の液状化被害が発生しやすい条件だという。条件がそろったことが原因で発生したと推察されるももの、被災要因については液状化の痕跡が少なく、施工時の埋設条件や周辺地盤データなどが現時点で不明なため、今後の調査が必要としている。

1989㎞対象の概略点検ほぼ終了
 下水道施設の被害を把握するため、熊本県内で下水管渠の概略点検や詳細調査が進められている。大阪市など1都・19政令市の延べ516人が熊本市の下水管渠の調査を進めているほか、福岡県など18団体の延べ170人が益城町をはじめ9市町の下水管渠調査の支援を開始した。
 概略点検の対象となったのは、熊本県の1流域(八代北部流域下水道)と10市町(熊本市、益城町、嘉島町、阿蘇市、宇土市、宇城市、長洲町、大津町、菊陽町、御船町)の合計1989㎞の下水管渠。概略点検はほぼ終了し、詳細調査へと切り替えている。

全国から支援隊が出動
応急復旧が本格化/水道
 熊本地震の被災地には応急給水や漏水調査などで応援部隊が各地から駆けつけ活動している。日本水道協会による給水車の出動は24日17時現在、すでに終了したものも含め、九州、中国四国、関西、中部の各地方支部の合計で95台にのぼった。また、漏水調査などを実施する応急復旧隊も出動し、応急復旧活動が本格化しつつある。

一次調査が完了へ/下水道
 下水道関係では、大西一史・熊本市長が18日付で21大都市ルールに基づく復旧支援要請を行った。情報連絡統括都市の大阪市建設局はこれを受け、熊本市を除く全政令市職員の派遣先を調整した。1日最大124人体制で、管きょ延長約1730㎞区間におけるマンホール内滞水状況を確認するなどの一次調査を実施。25日までの完了を目指して作業を進めている。

業務の大部分を委託へ/官民出資会社を設立/群馬東部水道企業団
 群馬東部水道企業団は21日、「事業運営及び拡張工事等包括事業」を公募型プロポーザル方式で行うと発表した。同事業では、企業団が水道事業経営や施設保有に係る業務を行い、その他の水道事業運営業務や施設整備業務を包括して官民出資会社に委託する方式を採用。民間の技術・ノウハウを活用して効率的な事業運営を行いつつ、公益性の確保や技術継承を実現するため、選定した民間グループと企業団で共同出資する株式会社を設立して事業を実施する。事業の特徴は、業務の大部分を委託する点と、官民出資会社を設立して事業を行う点で、持続的な水道事業運営に向けた官民連携の一手法として注目が集まる。委託期間は平成29年4月から37年3月までの8年間。

山元町のビジョン策定等支援/設備管理システム導入・運用も/東日本大震災から多角的な支援/横浜ウォーター
 横浜市水道局が100%出資する横浜ウォーターは13日、宮城県山元町と「平成28年度上下水道事業経営アドバイザリー業務委託」契約を締結した。同町が東日本大震災で被災して以来、横浜市は全市的に復旧・復興支援に取り組んでおり、同社も23年度から様々な支援を行ってきた。今年度も引き続き、同社が有する上下水道事業運営ノウハウを活かし、同町の最適な事業体制の構築に向け、上下水道ビジョンの策定などに向けたアドバイザリー業務を行う。
 事業期間は平成29年3月31日までで、持続可能な上下水道事業経営に向け上下水道ビジョン、上下水道事業経営計画、上下水道管路施設更新計画の策定業務を支援するとともに、アセットマネジメントの推進へ設備管理システムの導入・運用を支援する。

経営基盤の強化へ/水道加入金減免制度など創設/福島市水道局
 福島市水道局は、給水普及率の向上を図り、経営基盤を強化するための取り組みを進めている。4月1日から一般の水道利用者向けとして、自家用水道から上水道への切り替えを対象とした水道料金加入金減免制度などを創設し、7月からは大口使用者の地下水利用への切り替えを抑制するため、個別需給給水契約制度を開始する。

来月3日にPE管で仮復旧/本復旧は来年10月以降に/福山市・海底送水管漏水事故
 福山市上下水道局は18日、走島(はしりじま)に至る海底送水管の漏水事故について、今後の対応などを明らかにした。潜水調査などを踏まえ、仮復旧は今月19日から着手しており、来月3日に通水完了。本復旧は来年1~10月を予定している。設計委託(今年6~12月)などを含めた合計概算金額は、約3億円に上るとしている。

公共下水道事業を法適化/座間市
 神奈川県座間市は、1日から公共下水道事業に地方公営企業法を全部適用した。市が設置する公営企業は水道事業と公共下水道事業の2事業となり、地方公営企業法に基づき、公営企業管理者を置き、市長事務部局から独立した上下水道局となった。

上下水道局長に丹羽吉彦氏/名古屋市
 名古屋市上下水道局長に1日付で前市長室長の丹羽吉彦(にわ・よしひこ)氏が就任した。

幹事会・幹部研修会を開催/田中・京大教授が講演/大阪府下水道協会
 大阪府下水道協会はさきごろ、大阪市中央区のシティプラザ大阪で第3回幹事会・幹部職員研修会を実施した。幹事会では平成29年度から大阪府下水道協会会長市に堺市が就くことなどを決議した。
 研修会では田中宏明・京都大学大学院工学研究科付属流域圏総合環境質研究センター教授が『水環境改善に貢献してきた下水道が、今後の持続可能な都市水循環系構築に果たすべき課題』と題し、閉鎖性水域の水質への課題をはじめ、世界での持続可能な開発目標として下水処理と、さらに有効なツールとして水の再利用が注目されているなどと話題を提供した。

熊本地震の被災地へ団体・企業が支援
 上下水道関連の団体・企業も熊本地震発生直後から、上下水道の被害調査や復旧支援に向けて動き出している。被災地域のライフラインを確保するため総力をあげている。

加圧給水車で熊本市を支援/宮﨑社長を先頭に/第一環境
 熊本市上下水道局から料金徴収業務を受託している第一環境(宮﨑勝己社長)は、平成28年熊本地震で断水した熊本市に加圧式給水車を2台派遣し、15日から給水活動を行っている。

下水熱利用システムに高い注目/B―DASH予備調査にも採択/積水化学工業
 積水化学工業が手がける下水熱を有効活用するシステムが、高い省エネ性や新たなエネルギーの創出などの観点から高い注目を集めている。下水道管を流れる下水から取り出した熱エネルギーを有効活用する未利用エネルギー活用システム「エスロヒート下水熱(管底設置型、らせん型)」を設置して下水から回収した熱エネルギーを活用するシステムが自治体から相次いで採用され、これまで未利用だった下水熱が有効利用され、省エネとCO2の排出削減に貢献している。
 また、興和と新潟市、同社の3者が共同提案した「下水熱を利用した道路融雪技術の調査研究事業」が国土交通省の平成28年度B―DASH予備調査事業に採択された。

菊池市で応急給水支援/病院などで漏水調査も/ヴェオリア・ジェネッツ
 菊池市から料金徴収業務を受託しているヴェオリア・ジェネッツは、熊本地震の本震により濁水や断水が発生した同市の要請を受けて、守口市に配備している1・8tの加圧式給水車1台を現地に派遣し、17日から給水支援活動を行っている。
 また、要請により菊池市の山間部や、熊本市にある自衛隊熊本病院で漏水調査支援を行っている。

電気設備の健全度診断技術の研究/共同研究者の募集締切迫る/下水道機構
 日本下水道新技術機構は「下水処理場等における電気設備の健全度診断・改築技術」の共同研究者を募集している。研究はこれまで時間計画保全を中心としてきた処理場などの電気設備について、健全度診断技術による状態監視保全の適用性やそれに伴う改築計画に関する技術資料として取りまとめることを目的としている。受変電設備、自家発電設備、制御および計装電源設備、負荷設備、計測設備、監視制御設備などの電機設備を対象とする。研究期間は平成28年5月~平成30年 3月で、募集期間は今月28日までとなっている。
 共同研究に関する問い合わせは同機構研究第二部(電話03―5228―6598、FAX03―5228―6512)まで。

下水道51施設を自主点検/MPの陥没・隆起など確認/小松電機産業
 熊本地震の発生を受け、小松電機産業(本社・松江市)は、熊本県内4市町が遠隔管理している下水道51施設を、地元提携会社のテクノシステム(本社・福岡市)と合同で自主点検した。制御盤に被害はなかったが、地震の揺れに伴うマンホールポンプ(MP)の陥没・隆起などを確認した。

被災地に仮設配管を出荷/生活用水確保や漏水調査に/明和工業
 明和工業の仮設配管システムが熊本地震で被災した事業体の水道管路の応急復旧に貢献している。15日には仮設配管の出荷に向けて動き出し、すでに阿蘇市や益城町、西原村に出荷している。
 同社担当者によると、漏水など水道管路の被害状況を調査するためや避難所に給水するために活用されているという。

小集落の水道問題へ提案/小冊子を無料で配布/日本原料
 日本原料は小冊子『小集落の「新しい水道のかたち」』を作成し、希望者に無料で配布している。小冊子では、小集落の水道が抱える課題を整理し、同社が考える新しい水道システムのあり方「自立型分散水道システム」を提案している。

応急給水支援要員を派遣/メタウォーター
 メタウォーターは熊本地震で被災した自治体を支援するために、応急給水支援要員を複数名派遣した。

仮設ろ過設備対応/理水化学
 理水化学では25日現在、熊本県美里町の内山浄水場に除濁前処理機(1日最大能力900立方m)1基、玉名市の北横内地区水源地に圧力式急速ろ過機(同60立方m)1基の設置が決まっている。
 同社は貸し出し可能な仮設ろ過設備の在庫を一定数量保有しており、処理水量など詳細な相談は福岡支店および本社で対応しているという。

ステンレスタンク11基/森松工業
 森松工業は25日現在、熊本県益城町に緊急用・移動式ステンレス製タンク(容量1立方m)11基を発送した。給水拠点に設置されるという。